tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

カタラン予想とマチンの公式

カタラン予想は、次のような有名な数論の予想です。

 X^u - Y^v = 1 \tag{1}

を満たす正の整数  X, \; Y, \; u > 1, \; v > 1 の組は  (X, Y, u, v) = (3, 2, 2, 3) に限る.

「予想」とはいっても、実はもう既に解決されている問題です。

カタラン予想は、2002年にミハイレスクという数学者によって解決されました。このことについては、以前のブログ記事でも紹介したことがありました。

さて、今日お話したいのは

カタラン予想に「円周率の公式」が関係している

というお話です。円周率の公式に「マチンの公式」と呼ばれるものがあり、マチンの公式に関連する研究成果が、カタラン予想の部分的な問題の解決に貢献しているというのです。非常に興味深いお話なので、このブログの読者にも気に入ってもらえるのではないかと思います。

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2017を二つの平方数の和で表す方法 (2)

日曜数学 Advent Calendar 2017 の 25 日目(最終日!)の記事です。

数学大好き皆様こんにちは。今日は、日曜数学アドベンター2017 最終日です!

2017 年最後ということで 2017 に関するお話です。

 p 2017 のような奇数の素数を考えたとき

 p = X^2 + Y^2 なる整数  X, Y を具体的に計算する方法」

を紹介したいと思います。

実はこのブログでも、「数学とコンピュータ アドベントカレンダー」の記事として、ひとつの計算方法を紹介しています。
tsujimotter.hatenablog.com

今回は上記の記事とは異なる別の方法を紹介したいと思います。

「初等整数論」をある程度知っている方向けの記事になってしまいますが、面白い内容だと思いますのでよかったらご覧になってください。

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眠気と闘うあなたへ:素イデアル分解のすすめ

突然ですが、眠くて眠くてしょうがないときってありますよね。

スマホを開くことができれば、いろいろと目をさますコンテンツにアクセスすることができます。しかしながら、スマホを開くことができないときもありますよね*1

ここには紙とペンしかない。眠気には耐えなければならない。

そんなときには 「素イデアル分解」 してみるのはいかがでしょう。

*1:TPO的な意味で

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数学カフェ「素数!!」回を振り返る

この記事は 数学カフェ Advent Calendar 2017 の 17 日目の記事です。

 今日は数学カフェアドベントカレンダーとして

第13回 数学カフェ「素数!!」

の振り返り記事を書きたいと思います。

 実は、第13回数学カフェが開催されたのは、2016 年 5 月 7 日。なんと 1年半 も前の企画です。今更感はありますが、企画の内容を簡単に紹介しつつ、どんな回であったかを数学カフェ素数回の講演者である「私」の視点から振り返りたいと思います。

 この記事の主旨ですが 「私自身の思い出記録用」 ということにしたいと思います(アドベントカレンダーの貴重な場を使ってしまって申し訳ありません)。あとから思い出せるように記録を残しておこうという意図で書いています。今回の数学カフェは、準備の期間、本当にいろいろなことを考えて臨んだ会だったので、そのときの考え・思いを書きとどめておきたいのです。

 また講演では、上手くできた点もあれば失敗した点もありました。実は、終わってからだいぶ落ち込んでいたのです。普段はこうした「ネガティブなこと」は書かないようにしているのですが、今回はそういった部分にも触れています。失敗し、落ち込んだ過程があって、今の自分に繋がっている部分もあると強く感じたので、落ち込んだ事を正直に書くことにもいくらかの価値があると思ったのです。

 という感じで、取り留めのない記事になりますが、よろしければお付き合いください。

 そういえば、イベントが終わった後落ち込んでいたので、聴講者に数学カフェ素数回の感想を聞くのを忘れていました。。。今更ながら、もったいなかったなと感じています。よろしければ、参加された方で感想を覚えている方がおられましたら、こっそり教えていただけると凄く嬉しいです。

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「INTEGERS: 孙智伟による素数表現関数」を確認してみた

日曜数学アドベントカレンダーの本日の記事は integers_blog さんによる「孙智伟による素数表現関数」です。
integers.hatenablog.com

大変興味深いお話なので、ぜひ多くの人に読んでいただきたいです!

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補足:法2017における(-1)の平方根の計算

本日アップロードしたばかりのこちらの記事
tsujimotter.hatenablog.com

では

 X^2 \equiv -1 \pmod{2017}

を計算する効率的な方法がわからない、と書いていました。

先ほど nishimura さんという方に*1効率的な方法を教えていただきましたので、その方法を補足したいと思います。

「オイラーの基準」や「平方剰余の相互法則」といった初等整数論の知識は仮定します。

*1:nishimuraさんには、こちらの記事のときなど、いろいろ教えてもらっています。

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2017を二つの平方数の和で表す方法 (1)

この記事は 数学とコンピュータ Advent Calendar 2017 の 7 日目の記事です。

数学好きなITエンジニアの皆様こんにちは。

日曜数学者を名乗り、趣味で数学を学んでいるtsujimotterと申します。本業では情報系の研究者をしていて、日頃プログラミングには親しんでいます。

私は常々、数学という学問、特に整数論を学ぶにあたってプログラミングという道具は役に立つと考えているのですが、今日はその一端を垣間見せてくれる整数論のトピックをご紹介します。

今回の目標は、 p を奇数の素数としたとき

 p = X^2 + Y^2 なる整数  X, Y を具体的に計算する方法」

を解説することです。

今回紹介するプログラムの言語としては Ruby を用いることにします。

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