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tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

#日曜数学 の多様性を感じた25日間:日曜数学 Advent Calendar 2015 まとめ

アドベントカレンダー 日曜数学 数学

この記事は 日曜数学 Advent Calendar 2015 最終日 の記事です。(24日目:物智 — 2015年の日曜数学活動まとめ+神に迫る小咄


日曜数学 Advent Calendar 無事埋まりました!!!みなさんありがとうございます!!!

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Advent Calendar へのリンクはこちらです!
www.adventar.org


日曜数学 Advent Calendar 2015 は、全 25 個の記事が出揃いました。せっかくなので以下に一覧でまとめてみましょう。

《日曜数学 Advent Calendar 2015》
1 日目: 日曜数学ってなんだろう - tsujimotterのノートブック
2 日目: この文献・・・日本語じゃない.英語でもない.でも,あきらめない! - すもう
3 日目: 月の明るい部分の面積を求める:このブロマガの名前は? - ブロマガ
4 日目: 「数学とは何を研究する学問なのか」という問いに対する私なりの答 - ある日曜数学者の備忘録ないし雑記帳
5 日目: 線を引くだけで「かけ算」の答えが分かる方法がすごい - ねとらぼ
6 日目: 3点を通る円がただ1つだけ存在することの証明:このブロマガの名前は? - ブロマガ
7 日目: 京大特色入試, コインの問題を解く | kinebuchitomo
8 日目: 「3の100乗を19で割ったあまりは?」を4通りの方法で計算する - tsujimotterのノートブック
9 日目: 内積の本質 - すもう
10 日目: 5882353:この数は面白い - インテジャーズ
11 日目: チューリングの波動関数 | DIY Mathematics | Advent Calendar 2015 |
12 日目: Mathematica(Raspberry Pi版)のMatrixPower関数を使い、行列のn乗(累乗)を計算してみた
13 日目: 模様の分類の話 : 幾何学模様のブログ みずすましの図工ノート
14 日目: ring数学店 今年の日曜数学活動
15 日目: 日曜数学 - オイラー標数を使って数える話 - Qiita
16 日目: 京大特色入試, コインの問題を解く (その2) | kinebuchitomo
17 日目: mn(m+n)(m-n) が 6の倍数であることを証明せよ ‐ ニコニコ動画:GINZA
18 日目: 情報理論のための物理基礎 | DIY Mathematics | Advent Calendar 2015 |
19 日目: 2015の階乗を10の502乗で割った数の一の位は? - インテジャーズ
20 日目: 食べられる「アレ」の製造シュミレーション(1) - Salty-wise
21 日目: 素因数分解の一意性の何がありがたいのか? | srtk86.log
22 日目: 数学カフェの1年 - 数学カフェ #math_cafe
23 日目: 食べられる「アレ」の製造シュミレーション2 - Salty-wise
24 日目: 物智 — 2015年の日曜数学活動まとめ+神に迫る小咄
25 日目: #日曜数学 の多様性を感じた25日間:日曜数学 Advent Calendar 2015 まとめ(本記事

いかがだったでしょうか。楽しんでいただけましたでしょうか。

tsujimotter 自身も12月は本当に楽しかったです。どの記事も魅力的に書かれていて、読み応えのある記事ばかりでした。まだ読んだことがない記事がある方は、ぜひ読んでみてください!

冒頭で述べましたが、お忙しい12月に記事作成に参加してくださった日曜数学者のみなさまに改めて感謝申し上げます!そして記事を読んでくださった皆様に心より感謝です。

「まさかこんなに埋まるとは思わなかった」というと語弊があるかもしれませんが。昨年ペアで一緒に書いていた遠藤逸ノ城くんとは「今年も激しいひと月がはじまるな」とか「埋まらなかったら俺たちでなんとかしましょう」と話していたところだったので、私たちが記事を書く余地がないくらい埋まるというのは、嬉しい誤算です。

彼のブログ記事の言葉を借りるなら、

日曜数学者,つまりアマチュア数学者のコミュニティが2015年に大きく広がったことが如実に示されているのだろう.

ということでしょうか。


みなさまのご協力に感謝しつつ、今日は日曜数学 Advent Calendar を振り返りながら、改めて「日曜数学」について考えてみたいと思います。


* * * *


さて、1日目の記事で、tsujimotterは「日曜数学とは何か」その定義を書いていました。

日曜数学とは「興味の赴くままに趣味として数学を探求すること」である

一方で、こんなことを宣言していたのを覚えているでしょうか。

もちろん、この定義が絶対というわけではありませんので、みなさんのそれぞれの「日曜数学像」を打ち出していただければと思います。tsujimotterはまったく思いもよらない発想を見るのが大好きなので、そういうものがこのアドベントカレンダーで生まれていったら最高だなと思います。みなさんの「日曜数学」をみた上で、25日の記事で改めてこのテーマに立ち返ってみても面白いかもしれませんね。

アドベントカレンダーの25日間が終わった今、集まった記事を振り返りつつ、あらためて日曜数学あるいは日曜数学者について想いを巡らせてみましょう。


* * * *


タイトルにもあるように、私はこれらの記事を読んで、日曜数学の「多様性」を感じました。

最初、このアドベントカレンダーを一言でまとめようと試みて、一回挫折しかけたのです。なかなか難しい。それもそのはず、集まった記事が本当に多様だったからです。さまざまな記事が集まりました。たくさんの人がかかわってくれました。


この多様性についての具体例を「人」「対象」「方法」という3つの切り口から紹介したいと思います。


まずは「人」の多様性について。今回のアドベントカレンダーの参加者の集合は、まさに「日曜数学者の縮図」でしょう。

例を挙げると、学生、主婦、総務のおじさん、学生時代に数学科で学び、社会人になってからも高度な数学を学び続けている方や、逆に社会人になってから数学に目覚めた方もいます。プロの数学者の卵といえる方も記事を書いてくれました。彼はまるで「お菓子は別腹」と言わんばかりに、本業の傍ら数そのものの魅力についても探求し続けています。これも日曜数学者の1つのあり方でしょう。

何人かの方には、ご自身の日曜数学活動を振り返っていただきました。彼らの活動の場はさまざまで、日曜数学会のほかにも、プログラマのための数学勉強会、関西すうがく徒のつどい、サイエンスアゴラ、ニコニコ学会β、数学カフェなど、多様な場で活躍されています。活動の場はもちろんオフラインだけではありません。書籍を書かれた方もいましたね。

こうした方々は、あくまで日曜数学者という母集団の中のほんの一部であり、「日曜数学者像」を導くためのサンプルとしては、十分ではないかもしれませんが、そのとっかかりにはなるでしょう

日曜数学会のメンバーだけでなく、まったく参加したことがなかった方も、今回の企画にかかわってくれました。これが私にとっては嬉しかったです。日曜数学会の内輪だけでなく、その広がりが生まれたと思っています。


次に「対象」について。ここまで日曜数学者の対象が、あたかも数学という1つの対象であるかのように説明していますが、実際はもっと細分化されていて、彼らの心惹かれる「対象」はさまざまだったりしますね。
整数論だけをみても、一般的な定理が好きな方もいれば、特定の数それ自体に愛着を持つ人もいます。幾何模様に心惹かれる人もいれば、身近な題材からオリジナルの問題を作って解くことに関心を持つ方もいます。試験問題をいかに面白い方法で解くか、に興味がある方もいました。より高度に抽象的な概念に魅力を感じる人もいます。


「方法」も十人十色です。みなさんの問題に対するアプローチの仕方を比較して見ていると実に多彩で、これがなかなか面白いんです。
証明を最後まできっちり書いて完結させる方。証明の概略を説明しようと試みる方。具体例や図をたくさん出す方。Mathematicaのようなツールを援用して理解を試みる方。プログラミングや映像化の手法によって、目で見えるようにする方。手芸や工作・料理を使ってとらえようとする方。体系的にまとめてデータベース化しようとする方。哲学にその答えを求める方。1つの問題に多様なアプローチで挑む方。今までと違った問題のとらえ方を示そうとする方。動画を作っちゃう方。などなど。


結局のところ、大事なことはこうした「多様性」だと思うのです。みなさんの思い思いの日曜数学像を見て私も視野が広がりましたし、こんなアプローチもあるのか、あるいは、こんな面白い話もあるのか、と刺激になりました。

また、日曜数学に興味を持った人が、これから始めようとするときのとっかかりとして、この「多様な日曜数学者像が見れること」は大事であるように思います。

とっかかりが掴めない人たちは「何でもよいから自分の好きにやればいいよ」とアドバイスされても、一体どうしていいかわからないと思います。そういった方が、この多様な日曜数学者像を見ることができたら。それが多様であればあるほど、どこかに琴線に引っかかるものが見つかるかもしれません。

この文章を書いていて、ふと自分自身の体験を思い出しました。私も最初の頃は手探りでした。私は周りに数学について教えてくれる人がいなかった(ぼっち日曜数学者だった)ので、ひたすら本を読んだり、ネット上の記事を探ったりしていました。ときどき見つかる琴線に引っかかったものを、トレースして喜んでいたんだった。こうしてみつけたいくつかのウェブサイト、いわば日曜数学の先輩は、未だにブックマークの中に残っています。


それぞれの日曜数学者が、自らの想い想いの日曜数学を発信することは、日曜数学という言葉に「彩り」と「深み」を与えてくれます。日曜数学者のコミュニティは、まだまだ発展途上ですが、今後さらに広がっていくことを期待しています。

今回は2015年の日曜数学を振り返ったわけですが、これが2016年、2017年となると一体どうなっていくのでしょうか。私は楽しみで仕方ありません!


それではみなさん、2015年のアドベントカレンダーはこれで終わりです!メリークリスマス&よいお年を!


日曜数学会コミュニティが出来ました

最後にちょっとだけ宣伝です!

この記事で何度か登場した「日曜数学会」とは、日曜数学者たちが交流しあう場所として作られたイベントです。隔月で開催予定で、各回で集まったみなさんが、それぞれお気に入りの数学テーマを持ちよって、5分間のライトニング・トークをして楽しみます。これまで3回開催されており、前回よりニコニコ生放送での配信も行われています。

ちょうど昨日、主催者のキグロさんによって、ニコニコ生放送のコミュニティページが作成されました。今後の日曜数学会の情報がこちらに掲載される予定ですので、関心のある方はぜひこちらのページをウォッチしていただければと思います。

今回の日曜数学 Advent Calendar をみてこうした活動に興味を持ってくださったみなさま、ぜひご参加お待ちしています!
com.nicovideo.jp

第1回のイベントレポートはこちら。
tsujimotter.hatenablog.com