「モルフォチョウ 購入」等のキーワードで検索してきてくださった皆様、モルフォチョウの標本に興味を持っていただきありがとうございます。モルフォチョウ大好き tsujimotter です。
モルフォチョウは、メキシコから南米中部に生息するきらびやかな青色をしたチョウの一種です。
モルフォチョウの生息地と言えば、こんなエピソードがありました。
私がサイエンスアゴラという科学イベントで、モルフォチョウの色について紹介していたときのことです。小学校低学年ぐらいのお子さんに「モルフォチョウはどこに住んでいるの?」と聞かれたので、「アマゾンに住んでいるんだよ」と答えたのです。すると「あー!アマゾンね!」と思った以上の反応が返ってきました。tsujimotter が不思議がっていると、一緒に居たお母さんが「Amazonのことだとおもっているのですよ」と。
たしかに、Amazonになら住んでいるかもしれませんね。標本になって売られています。笑
モルフォチョウの美しさに惹かれて、標本を手に入れたいと思う方は多いのではないかと思います。
でも、値段がちょっと高かったり、いろんな種類があってどれを選んでよいかわからなかったり、うちで保管できるのかと購入をためらってしまったり・・・。店頭で買うことはなかなかできないので、余計に不安になるのかもしれません。モルフォチョウの標本を購入し、いまやこんな記事を書いている tsujimotter 本人も、最初は不安でいっぱいでした。
そこで、その不安を取り除くべく、実際に購入した tsujimotter の体験談を交えて、標本を選ぶときのポイントをご紹介したいと思います。
モルフォチョウの魅力
本題に行く前に、モルフォチョウの魅力についてちょっぴり触れておきましょう。
あ、裏面見たことありません?こんな色をしているのですよ。
モルフォチョウの青色は「構造色」と言って、翅の構造が作った色なのです。モルフォチョウの構造色は、高校の物理で習う「薄膜干渉」の仲間で、シャボン玉が色がついて見えるのと似た原理で起こります。
簡単に言うと、翅の表面に向かって飛んできた光が、翅の表面で反射するわけですが、表面の構造によって反射光同士が「干渉」するのですね。そこで、特定の波長が強め合って戻ってくるわけです。モルフォチョウの場合、これがたまたま青色だったということです。
図:モルフォチョウの翅が青色になることを示すときに使いそうな図
(また別の機会にご紹介します。)
どの波長が強め合うかどうかは計算によって求められるのですが、このあたりの説明はブログ1回では済まないので今日はやめておきましょう。笑
とにかく、この青色の美しさと理論的な面白さに惹かれて、tsujimotter はついポチッと購入してしまったのでした。
購入方法
さて肝心の購入方法ですが、「モルフォチョウ 購入」で検索すると、ウェブサイトをいくつか見つけることができますね。たとえば、以下のサイトでは実際に購入が可能です。
モルフォチョウ属は種類が多く、全部でなんと80種類もあります。青色のものが多いですが、それぞれに色味は違いますし、白色のものもあります。表面に斑点模様が見えるのもあれば、ないものもあります。
私が購入したのは「メネラウスモルフォ」という種類のものです。
やや緑がかった光沢のある青色をしているのですが、表面に斑点模様もなく美しいので、個人的には好きです。以下は、Amazonのリンクです。
「ディディウスモルフォ」も人気です。メネラウスモルフォよりは若干大きめです。同様にAmazonのリンクをおいておきます。
値段とその違い
「購入したいな」と思ったときに、一番気になるのはやはりお値段ですよね。
調べてみると値段は3,000円から30,000円と大きく幅があるようで、はじめての方はどれを選んでよいかわからないかと思います。
値段を決める要因は、チョウ自身の希少性もありますが、一番大きなものは実は「箱」です。
もっとも安く買えるものは、3000円程度の「紙箱」のものです。
ただし、紙箱については注意があります。次のサイトのとおり、紙箱のものは適切な入れ物に移し替えて保管する必要があります。そのままにしておくと虫がついて食べられてしまうのだそうです。
一方で、そのままで長期間保管できるのは「木箱」や「ガラスケース」のものですが、やや高くてメネラウスモルフォでは8,000円から12,000円程度。
私はガラスケースよりやや劣りますが、次のサイトで売っているアクリルケースのものを選びました。これであれば表面だけでなく裏面も見ることができてお得ですね。
はじめての購入でしたので、どの程度持つものかどうか不安だったのですが、私の購入したものは購入後1年半近く経っていますが、今でも綺麗なままです♪
(時々、細かい鱗粉が落っこちているぐらいで、見た目にはほとんど影響はありません。)
あー、モルフォチョウ美しい。
参考になれば幸いです。
おまけ:モルフォチョウに光を当てると・・・
表面に光を当てると、青色に強く光を反射して見えますね。
では、裏面から光を当てるとどうなるでしょう?
正解は・・・表面が透けて、透明に見えるのです。
写真だとわかりにくいかもしれませんが、実際にみるときれいに透けて見えます。
モルフォチョウの表面はその構造によって全面からの光を強く反射しますが、裏面からの光は透過してしまうのですね。
こんなこと、検索してもだれもやっていないので、標本を買った人ならではの特権ですよ!
おまけ2:
California Academy of Science という科学博物館で、モルフォチョウが飛んでいるようすが観れるそうですよ。これはぜひとも行ってみたい!
参考文献:
モルフォチョウの構造色については、こちらの本が非常に読みやすく、全体像をつかむことが出来ます。第一線の研究者が書いている本だけあって、その魅力がありありと伝わってきます。
途中のコラムも面白いです。「たけしの万物創世記」の取材が来て、研究室一丸となり、徹夜でタマムシの調査をした「タマムシプロジェクト」のエピソードがお気に入りです。
電磁気学の知識を元に、実際に計算をしてみたい貪欲な方は、同一の著者のこちらの書籍がおすすめ。私はこの本を読んだことがきっかけで、構造色にどっぷりはまってしまいました。
おまけ3:ボディカラーに構造色を利用した車
こんな車が出たそうです!
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