2019年10月1日に消費税が8%から 10% に引き上げとなりました。正確にいうと、軽減税率というシステムが導入されるようなので、8%と10%が混在することになるみたいです。
本記事のタイトルは「増税問題」です。ここでは、消費税増税について一言申し上げたい・・・というわけではなく、増税に伴って生じる 数学の問題 について考えたいと思います。
平成25年から商品価格には総額表示が義務付けられ、街中で見かける価格は基本的に消費税込みの金額になりました。
数が大好きなtsujimotterの興味としては、消費税10%のときには、総額表示の金額としてどんな数が現れるのか、ということが気になります。
ここで考えなければならないのが、端数の処理についてです。国税庁によると、四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法でもよいとのことです。
なお、総額表示に伴い税込価格の設定を行う場合において、1円未満の端数が生じるときには、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えありません。
(No.6902 「総額表示」の義務付け|消費税 |国税庁 より引用)
ただ、検討が面倒なので、この記事内では端数は一律切捨てとしたいと思います。つまり、消費税が (ただし、)のとき、商品価格が とすると、税込価格(総額)は
と表せます。ここで、 はガウス記号です。
たとえば、消費税が8%のとき、商品価格が100円である商品の総額は
となります。
一方で、商品価格が99円の場合の総額は
となります。
つまり、 という数は、消費税8%における総額表示として現れない のです。これは悲しいことですね。
たとえ、 についての美しい性質を知っていたとしても、それが街中の価格表示に現れることは決してないと。
しかし、ここで朗報です。消費税が10%に引き上げになったことで、 が総額表示として現れることが可能となります。実際、商品価格が 円とすると
となります。
つまり、増税のおかげで、街中の価格表示に現れる数の種類が変わるということですね! しかも、軽減税率によって8%と10%が混在するので、現れる数のバリエーションは純粋に増えます! 増税さまさまですね!!!
この のように、10%に引き上げになったことで、現れるようになった新しい数はどのような数でしょうか? それを問いかける問題を 「増税問題」 と(勝手に)名付けました。ぜひ考えてみてください。
このとき、差集合 の数を特徴付けよ。
は消費税が のときに総額表示として現れる数の集合ですね。 は「10%の総額表示にはあって8%にはない数の集合」を表します。この数の必要十分条件を見つけてくださいということですね。
試しに、消費税8%と10%で現れない数の集合を考えてみると
となります。何か特徴は見えるでしょうか?
ちなみに、上で挙げたのは200以下の数のみですが、175は共通部分になっていますね。つまり、10%に増税しても175円は総額表示として現れない ということです。
実際に街中で探してみたのですが、たとえば、 ですが、ちゃんと見つかりました!
アラビックヤマトが総額188円だったのですが、これは8%のときには存在しなかった金額です。
ちなみに、飲食物が8%であることも確認しました。
軽減税率の対象商品には「軽」という文字がつくようですね。
今日は問題提起だけして終わりにしたいと思います。興味を持った方はぜひ考えてみてください。
それでは今日はこの辺で。