こんにちは! 日曜数学者のtsujimotterです!
早いもので、日曜数学者と名乗り始めてから5年半が経ちました。その間、色々な数学を勉強して、成長もしてきたと思います。昔憧れた、名前しかしらなかった高度な理論も、だんだんと理解できるようになってきました。このことは、最近特に実感しています。
今回のテーマである 虚数乗法論 も、初期の頃から興味を憧れを抱いてきました。
しかしながら、上の虚数乗法論シリーズは未完のままです。当分続きは書けそうにありません。
大きな理論をまとめるのは大変だというのが理由の一つです。もう一つの理由は、そもそも楕円曲線の一般的な定義など、下準備をするのが大変だったというところにあります。
そこで考えたのですが、理論を体系的にまとめるのではなく、何か具体例を決めて、それを紹介するというのもよいのではと思いました。
題して 「具体例を通して学ぶ虚数乗法論」 です。
また、虚数乗法論は ガロア理論・類体論・楕円曲線論 を前提とした高度な理論なので、一般論を展開していくと難しくなりがちです。
難しい話は読者を選ぶのも事実です。けれども、やっぱり理論の内容は面白いので、もっと多くの人に知ってもらいたい。その面白さ・美しさを伝えられるようになりたい。その意味でも、具体例があった方が読んでもらいやすいはずだと思いました。
今回の記事は、以下のような構成で進めたいと思います。コンピュータの手を借りて 具体例 を計算しつつ、虚数乗法論のある意味「花形」の一つである クロネッカーの青春の夢 に向かう話を展開したいと思います。
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