これまでtsujimotterのノートブックでは、循環小数についていろいろな話題を紹介してきました。今日はとっておきのトピックとしてアルティン予想 という 未解決問題 について紹介したいと思います。
このブログでは、これまでずっと 「素数 の逆数 の循環節の長さ」 について興味を持ってきました。
まずは、 なる素数 について、 の循環小数を計算してみましょう。例として 以下のものを計算してみます:
(長さ: 1)
(長さ: 6)
(長さ: 2)
(長さ: 6)
(長さ: 16)
(長さ: 18)
(長さ: 22)
(長さ: 28)
太字で書いたのは、循環節の長さがちょうど になっているものです。
実は、あとで述べるように、 の循環節の長さの限界は になります。
そこで、長さがちょうど となる素数はいったいどの程度あるのか?という問題が気になってきます。
今回の主役であるアルティンは、このような長い循環節を持つ素数は、無限に多く存在し、その割合も具体的に計算できると予想しました。
これが成り立つとすれば大変興味深いですが、実際長い循環節を持つ素数については分かっていないことが多く、このアルティン予想は難問の一つとされています。
今日の記事では、まずアルティン予想の正確な主張を述べたいと思います。その上で、アルティン予想がいったいどういう理屈で予想できるのか、ヒューリスティックな議論を紹介したいと思います。この議論は代数的整数論・解析的整数論を使った大変面白い議論となっています。
最終的には、「あの有名な未解決問題」も登場します。最後までぜひご覧になってください!
注:なお、今回の記事はtsujimotterの最前線の知識を紹介するものとなっています。理解していない部分も多く、乱暴な議論もあるかもしれません。このブログの趣旨は「楽しく数学を勉強している様子を紹介する」というものになっていますので、温かい目で見ていただければと思います。
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