tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

素数

素イデアル分解法則を考える(ヒルベルトの理論とフロベニウス自己同型)

今日は私がまさに今現在勉強している「素イデアルの分解法則」についてお話ししたいと思います。素イデアルの分解については,これまでの記事でも「フェルマーの二平方定理」やその関連する法則について触れてきましたので,ずっと興味はあったのです。しか…

勘違いしやすい(かもしれない)素数の無限性

前回 は「素数ばかり生成される多項式」についてお話ししました。今回は「素数を無限に生成できる(かもしれない?)多項式」についてのお話です。それでは、まず以下の問題について考えてみてください。あなたは即答できるでしょうか。 とかける素数 は無限…

オイラーの素数生成多項式の秘密

今日はオイラーが発見した, という多項式についてお話したいと思います。 ある特別な に対して,多項式の に整数 を入れていくと,「素数」が次から次へとたくさん出てくるのです。まるで 「魔法の多項式」 です。これだけでも十分面白いのですが,なんとこ…

4n+3型, 6n+5型, 8n+5型素数の無限性

少し前に、私の周囲で「"" 型素数が無限に存在することを初等的に証明できるか?」という議論が流行っていました。私が追っていた限りにおいては、ちょっとずつ穴があって証明は叶わなかったようです。私は、てっきりこの手の問題、すなわち 型素数の無限性…

「第1回プログラマのための数学勉強会」で素数の話をしてきました

このブログでもちょくちょく登場している id:taketo1024 さん(以下,佐野さん*1)主催の「プログラマのための数学勉強会」で発表をしてきました。開催日は 1/30 だったので,随分ご報告が遅れてしまいましが,今日は tsujimotter の発表の振り返りを中心に…

ラマヌジャンの L 関数 と 二次のオイラー積

このところ暗号系の記事が続きましたが、今回は暗号とはまったくありません。この記事では、次のオイラー積を求めたいと思います。 左辺の級数は「ラマヌジャンの L関数*1」と呼ばれています。ラマヌジャンとはもちろん、インドが産んだ奇才、シュリニバーサ…

ディリクレの算術級数定理の証明(4n+1型の場合)

これらの数は で割って 余る素数です。このような形の素数のことを「 型の素数」と呼びますが、果たしてそのような素数は無限に存在するのでしょうか。この問いに答えるのが「ディリクレの算術級数定理」です。 ディリクレの算術級数定理: を正の整数とし,…

独習ノート「素数と2次体の整数論」#3.5:単項イデアルの性質

《独習ノート:「素数と2次体の整数論」シリーズ》の補足回です。今回のテーマは「単項イデアルの性質」について。該当箇所は、第1章の 問題 1.12 です。本当は飛ばそうかと思ったのですが、あとのことも考えると書いておいた方が良さそうだと、思い直しま…

ディオファントスの数遊び

「ディオファントスの一生」って知っていますか? ディオファントスという古代の数学者の墓石に、彼の一生を示した「謎めいた文章」が書かれている、という話なのですが、これがよく読むと数学の問題になっているのです。NHK Eテレの2355という番組で、これ…

独習ノート「素数と2次体の整数論」#3:Z のイデアル (2/2)

今日は「 のイデアルは、常に単項イデアルである」を証明します。その過程で「割り算の原理」という非常に重要な定理が登場します。該当箇所は前回に引き続き「1.3 のイデアル」です。 今回の文章は、ちょっと長いかもしれません。なかなかすんなりとは行か…

リーマンの素数公式の可視化アプリがパワーアップしました

「花の金曜日」ということで、前々から懸案事項だった数学アプリの整備を再開しました。言わば、「一人数学ハッカソン」です。今回のテーマは「リーマンの素数公式」について。

独習ノート「素数と2次体の整数論」#2:Z のイデアル (1/2)

今回は「イデアル」の導入と定義について。教科書の該当箇所は「1.3 のイデアル」です。内容が濃いので、2回に分けてお話します。

独習ノート「素数と2次体の整数論」#1.5:集合の包含関係(補足)

今回は、《独習ノート:「素数と2次体の整数論」シリーズ》の補足回です。今回の内容は、教科書に該当する箇所はありません。明日以降の記事で「集合の包含関係」についての性質を使うので、この記事で先に触れておきたいと思います。

独習ノート「素数と2次体の整数論」#1:約数と倍数

前回からはじまった独習ノートシリーズです。テーマは「整数論」。今日は整数論で最も基本的な「1.2 約数と倍数」について学んでいきたいと思います。

独習ノート「素数と2次体の整数論」#0:動機

教科書を1つ決めて、それに沿って tsujimotter が勉強した過程をまとめていく連載シリーズです。 本シリーズの教科書はこちら。素数と2次体の整数論 (数学のかんどころ 15)作者: 青木昇,飯高茂,中村滋,岡部恒治,桑田孝泰出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2…

セクシー素数

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 28 日目(!?)の記事です。( 27 日目:対数表に「素数」の表がついている?) アドベントカレンダーまさかの限界突破に、なんと遠藤 逸ノ城さんが続いてくれました!まさか、彼も対数表を…

対数表には「素数」の表がついている

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 26 日目(!?)の記事です。( 25 日目:3Dプリンタで正十二面体を作ってもらった話 と アドベントカレンダーまとめ) 「え?アドベントカレンダーまだやってるの!?」 って思った方、ええ…

3Dプリンタで正十二面体を作ってもらった話 と アドベントカレンダーまとめ

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 25 日目(最終日)の記事です。( 24 日目:クリスマス・イブには i を語ろう) 今日は、明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダーの最終日ということで、これまでの 24 回を振り返る…

素数のスモールギャップについての研究がさらに進んでいたらしい

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 5 日目の記事です。(4 日目:数の呼び方) そういえば、双子素数予想について書いた一昨日 2014/12/03 は、日付の数字を 20141203 と並べると素数になるのですが、実はその前の 20141201 も…

一時期話題になった素数のスモールギャップに関するプレプリントについて

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 3日目の記事です。(2 日目:統計学における自由度) 一時期、こんなニュースが飛び交って話題になったことを覚えていますでしょうか。 http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014022601001180.h…

漏れた素数:ユークリッドの証明

《定理》 素数は無限に存在する 上の定理は、数学を詳しくない人にも良く知られた事実です。 証明をしたのは「ユークリッド」という古代アレクサンドリアの数学者です*1。こちらは、数学をかじった人には比較的よく知られていることです。 *1:お恥ずかしなが…

ジーゲルのZ関数を数値計算する

リーマン予想とかリーマンの素数公式とかの文献を調べていくと「ゼータ関数の零点を求めたいな」って気分になりますよね。下記の Andrew Odlyzko のページに行けば、零点の生データを 100,000 個まで得ることができます。 Andrew Odlyzko: Tables of zeros o…

リーマンの素数公式を可視化する

三行でまとめると 《リーマンの素数公式》 を可視化するブラウザアプリを作りました。面白いから使ってみてね。解説もあるよ(以下ずっと続きます)。

ガウスの素数定理

ガウスの素数定理とは、ある数が 素数である確率 についての定理です。その定理は、自然対数を使って次のように表せます。 ガウスの素数定理: 十分大きな整数 が素数である確率 は次のように近似できる。 今回の記事では、この素数定理とその証明の概略を解…

素数が無数にあることのオイラー積を使った証明

《関連記事》 ゼータ関数のオイラー積 - tsujimotterのノートブック はるか昔、ユークリッドによって「素数は無数に存在する」ことは証明されていました。ここでは、ゼータ関数のオイラー積という比較的近代的な手法を使って、上記の定理を証明したいと思い…

ディリクレ級数のオイラー積

前作:ゼータ関数のオイラー積 - tsujimotterのノートブック ディリクレ級数とは、 という数論的関数を用いて、次のように定義されます。 数論的関数という言葉は、なじみが薄いかもしれません。数論的関数とは引数に整数をとる関数のことです。関数が整数で…

ゼータ関数のオイラー積

図:レオンハルト・オイラー(1707 - 1783) オイラー積とは レオンハルト・オイラーといえば世界一美しい公式と呼ばれる「オイラーの公式」が有名ですが、私が一番好きなのは次のオイラー積と呼ばれる公式です。 オイラー積(完全版) ただし、右辺の積記号…

4n+1型の素数とディリクレの算術級数定理

5, 13, 17, 29, 37, 41, 53, 57, ... これらはすべて、4で割ると1余る数です。しかも、自分自身と1以外の数で割ることが出来ないので素数です。このような数を4n+1型の素数と呼びます。このような素数に対しては、次のような疑問が沸いてくるでしょう。 果た…