tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

素数

独習ノート「素数と2次体の整数論」#0:動機

教科書を1つ決めて、それに沿って tsujimotter が勉強した過程をまとめていく連載シリーズです。 本シリーズの教科書はこちら。素数と2次体の整数論 (数学のかんどころ 15)作者: 青木昇,飯高茂,中村滋,岡部恒治,桑田孝泰出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2…

セクシー素数

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 28 日目(!?)の記事です。( 27 日目:対数表に「素数」の表がついている?) アドベントカレンダーまさかの限界突破に、なんと遠藤 逸ノ城さんが続いてくれました!まさか、彼も対数表を…

対数表には「素数」の表がついている

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 26 日目(!?)の記事です。( 25 日目:3Dプリンタで正十二面体を作ってもらった話 と アドベントカレンダーまとめ) 「え?アドベントカレンダーまだやってるの!?」 って思った方、ええ…

3Dプリンタで正十二面体を作ってもらった話 と アドベントカレンダーまとめ

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 25 日目(最終日)の記事です。( 24 日目:クリスマス・イブには i を語ろう) 今日は、明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダーの最終日ということで、これまでの 24 回を振り返る…

素数のスモールギャップについての研究がさらに進んでいたらしい

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 5 日目の記事です。(4 日目:数の呼び方) そういえば、双子素数予想について書いた一昨日 2014/12/03 は、日付の数字を 20141203 と並べると素数になるのですが、実はその前の 20141201 も…

一時期話題になった素数のスモールギャップに関するプレプリントについて

この記事は 明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー の 3日目の記事です。(2 日目:統計学における自由度) 一時期、こんなニュースが飛び交って話題になったことを覚えていますでしょうか。 http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014022601001180.h…

漏れた素数:ユークリッドの証明

《定理》 素数は無限に存在する 上の定理は、数学を詳しくない人にも良く知られた事実です。 証明をしたのは「ユークリッド」という古代アレクサンドリアの数学者です*1。こちらは、数学をかじった人には比較的よく知られていることです。 *1:お恥ずかしなが…

ジーゲルのZ関数を数値計算する

リーマン予想とかリーマンの素数公式とかの文献を調べていくと「ゼータ関数の零点を求めたいな」って気分になりますよね。下記の Andrew Odlyzko のページに行けば、零点の生データを 100,000 個まで得ることができます。 Andrew Odlyzko: Tables of zeros o…

リーマンの素数公式を可視化する

三行でまとめると 《リーマンの素数公式》 を可視化するブラウザアプリを作りました。面白いから使ってみてね。解説もあるよ(以下ずっと続きます)。

ガウスの素数定理

ガウスの素数定理とは、ある数が 素数である確率 についての定理です。その定理は、自然対数を使って次のように表せます。 ガウスの素数定理: 十分大きな整数 が素数である確率 は次のように近似できる。 今回の記事では、この素数定理とその証明の概略を解…

素数が無数にあることのオイラー積を使った証明

《関連記事》 ゼータ関数のオイラー積 - tsujimotterのノートブック はるか昔、ユークリッドによって「素数は無数に存在する」ことは証明されていました。ここでは、ゼータ関数のオイラー積という比較的近代的な手法を使って、上記の定理を証明したいと思い…

ディリクレ級数のオイラー積

前作:ゼータ関数のオイラー積 - tsujimotterのノートブック ディリクレ級数とは、 という数論的関数を用いて、次のように定義されます。 数論的関数という言葉は、なじみが薄いかもしれません。数論的関数とは引数に整数をとる関数のことです。関数が整数で…

ゼータ関数のオイラー積

図:レオンハルト・オイラー(1707 - 1783) オイラー積とは レオンハルト・オイラーといえば世界一美しい公式と呼ばれる「オイラーの公式」が有名ですが、私が一番好きなのは次のオイラー積と呼ばれる公式です。 オイラー積(完全版) ただし、右辺の積記号…

4n+1型の素数とディリクレの算術級数定理

5, 13, 17, 29, 37, 41, 53, 57, ... これらはすべて、4で割ると1余る数です。しかも、自分自身と1以外の数で割ることが出来ないので素数です。このような数を4n+1型の素数と呼びます。このような素数に対しては、次のような疑問が沸いてくるでしょう。 果た…