今回は、《独習ノート:「素数と2次体の整数論」シリーズ》の補足回です。今回の内容は、教科書に該当する箇所はありません。
明日以降の記事で「集合の包含関係」についての性質を使うので、この記事で先に触れておきたいと思います。
教科書を1つ決めて、それに沿って tsujimotter が勉強した過程をまとめていく連載シリーズです。
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初回(#0):動機・諸注意
前回(#1):約数と倍数
次回(#2):Z のイデアル (1/2)
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集合の包含関係
集合の包含関係について以下のように定義しておきます。整数論の証明に置いてしばしば利用されます。
定義(集合の包含関係)
を集合とする.このとき,以下が成り立つ.
(1) の 任意の要素 に対して .
(2) の 任意の要素 に対して .
(3) かつ .
これによって、集合と集合の包含関係を数学的に表すことが出来ます。
ある集合が別の集合に対して、どのような包含関係を持つか比べたいときは、そのすべての要素が他方に含まれるかどうかを考えたらよいわけです。
それから、(3) をよく使います。集合同士がイコールで結ばれる、とは一方が他方を包含していて、なおかつ、その逆も成り立つということなのですね。
念のため、高校数学でよく見るベン図を書いておきましょう。
表記上の注意をしておくと、今回は部分集合の記号として を用いています。本来この記号は真部分集合に対して用いられるものです。上の定義は、真部分集合ではないので、この記号よりも を使いたいところですが、教科書がこの記法を使っているので、それに準ずることにします。
簡単ですが、今回はこの辺で。
次回はこちら: