tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

「インテジャーズ イン 仮面ライダービルド」関連記事紹介(tsujimotter編)

10/6に開催されたMathpower2018というイベントにおいて「インテジャーズ イン 仮面ライダービルド」という対談企画が開催されました。tsujimotterは、数のエンターテイナーの関真一朗さん(id:integers)と共演し、1時間半の講演をしてきました。

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写真提供:@ONEWAN さん

Twitterまとめ:Mathpower2018 - Togetter
イベントホームページ:MATH POWER
感想ブログなど:
MATH POWER 2018に参加してきました。 #Mathpower - 7931のあたまんなか
MATH POWER 2018 開催報告レポート ~1日目~ - マスログ

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超幾何級数と超幾何定理

今日は 超幾何級数 のお話をしたいと思います。

 \displaystyle F(a, b, c; z) = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(a)_n (b)_n}{(c)_n n!} z^n \tag{1}

なお、 (x)_n はポッホハマー記号といって、 (x)_n := x(x+1)\cdots(x+n-1) で定義されます。より一般の複素数に対しては、あとで定義するガンマ関数によって  (z)_n := \Gamma(z + n) / \Gamma(z) としても定義できます。


超幾何級数は、tsujimotterのブログでも一度出てきたことがありました。
tsujimotter.hatenablog.com

そのときはこんなイラストと一緒に紹介しましたね。笑

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懐かしの超幾何級数エイリアン

このときのテーマは「超幾何定理を使えば有理数の面白い無限級数表示を得られる」というものでした。超幾何定理は証明なしに使っていましたが、今回その証明方法が理解できたので紹介したいと思います。

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続:7は合同数(計算機編)

ここ最近「合同数」について勉強し、理解度が上がってきました。そこで、今日は合同数の具体的な計算をやってみたいと思います。

今回は「7は合同数」の記事に出てきた「あの三角形」を計算で求めてみましょう。
tsujimotter.hatenablog.com

SageMathについて

今回の記事は、次のツイートの解説という位置付けです。


計算には、SageMathというソフトウェアを用いて行います。
www.sagemath.org

CoCalcというサービスを使えば、オンラインでもSageMathが扱えます。TwitterやGithub等のアカウントでログインすることができますので、自分でも試したい方はアクセスしてみてください。

https://cocalc.com/app

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合同数問題と保型形式(タネルの定理の証明の概略)

先週の日曜に梅崎さんが主宰する「数学について話す会」というイベントが開催されてtsujimotterも参加してきました。

数学について話す会

数学について話す会は「参加者全員が自分の好きな話をする」という、他ではあまりないタイプのイベントでした。参加者の聞き手としてのレベルが高く、発表者が気持ち良く話せるイベントだったと思います。tsujimotterは、本記事のタイトルにあるような 「合同数」 についての話をしてきたのですが、とても楽しくお話することができました。ほかの方の発表内容も興味深いものばかりでした。企画してくださった梅崎さんに感謝です。


さて合同数問題は、ぱっと見は初等的な問題に見えるのですが、実のところとても奥が深い問題です。合同数を判定するための 「タネルの定理」 と呼ばれる結果が知られているのですが、そこではなんと 「保型形式」 が関係します。

今日はそのタネルの定理について、私の知っている限りで紹介したいと思います。もちろん難しい内容なので、私自身は実際のところはよくわかっていませんし、誤解もあるかもしれません。「タネルの定理を完全解説するぞ」という大それたことを言うつもりはありません。あくまでこの記事の目的は「定理の成り立つ仕組みを表面的に追いかけて、何となくわかった気になろう」というものです。

より詳しく理解したい方は参考文献のコブリッツの本を読むか、あるいはコブリッツで参照されている論文にアクセスされるとよいかと思います。

「数学について話す会」で使ったスライドもこちらに上がっていますので、今回の記事の補助資料としてお使いください:
www.slideshare.net

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セルマー群と2-descent法

 K を代数体として  K 上定義された楕円曲線の  K-有理点の群をモーデル・ヴェイユ群  E(K) といいます。モーデル・ヴェイユの定理によって、 E(K) が有限生成であることが示されていますが、その自由部分の生成元の個数、すなわちランクを決定するのは一筋縄ではありません。

今日は、セルマー群 という道具を使ってランクを計算するための 2-descent法 を私の理解できた範囲で紹介します。なかなか難しい内容なので、私の理解もまだ十分ではありません。誤りがあった際は、ご指摘頂けると嬉しいです。

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