こちらの記事は今日投稿された下記の動画に関して、さらに深い解説をする記事となっています。
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フェルマーの最終定理の
のケース
に自然数解が存在しないことは、オイラーによって証明されていました。
オイラー自身は、この式の指数と変数の個数を1個ずつ増やした
にも、同様に解がないことを予想しました(1769年)。以降もずっと指数と変数を増やして行っても同様に解がないと予想していたようです。割と自然な発想ですよね。
一見すると式
には自然数解がなさそうなので、長い間解がないと信じられていました。
ところが、1966年にレオン・J・ランダーとトーマス・R・パーキンによって、式
の解が発見されたのです:
この発見によってオイラー予想は間違っていることが示されたわけです。
次がそのランダーとパーキンの論文なのですが、1ページで完結する論文 ということで有名です。
こうなってくると、式
の方も怪しく見えてきます。実際、この
の解の探索が多くの研究者によって試みられました。そして、ついに1988年に天才数学者、ノーム・エルキースによって解が発見されたのです。
それが次の解でした:
さらに言えばエルキースはこの解だけではなく、無限個の(互いに素な)解を見つける方法を得ています。
今日は、このエルキースの解がどうやって見つけられたのか、その手法を紹介したいと思います。たぶん、これについて詳しく書かれた日本語の記事はそう見つからないと思います。
実際、この解を発見するための方法は、楕円曲線とコンピュータを使ったかなり難解な方法でした。以前から興味を持っていたのですが、きっと僕にはわからないだろうと諦めていました。ですが、思い立って原論文に当たってみたところ、意外と読めてしまったのです。
そんなわけで今日はエルキースの方法について、その概要を紹介したいと思います。細かい部分は理解できているわけではないので、原論文をあたってください。
ぜひ最後までご覧ください。
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