tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

整数論

エラトステネスの篩を数式で表すと・・・?

素数の一覧表を作るときに、一個一個の数を素数かどうか判定していくのもよいですが、もう少し効率的に行う方法があります。その方法の一つが エラトステネスの篩(ふるい) です。 エラトステネスの篩は、情報系の大学生であればプログラミングの演習等で一…

「2pがトーシェントであること」と「pがソフィー・ジェルマン素数であること」は同値

今朝投稿されたYouTube動画 youtu.beにて、( は素数)の形の数がトーシェントである条件が、ソフィー・ジェルマン素数に関係するという非常に興味深い定理を紹介しました。定理 を素数とすると,次が成り立つ: がトーシェント はソフィー・ジェルマン素数…

(987654321-1)/(123456789+1) がちょうど 8

最近、タイムラインでという話をよくみかけます。とても面白い現象ですね。 この問題については、id:egory_cat さんのブログにて、一般の 進法に対して証明が与えられています。 egory-cat.hatenablog.com ブログを拝見させていただきましたが、とても面白か…

数学者の名前がついた素数

今回の記事では、数学者の名前がついた素数 について紹介したいと思います。名前を紹介するだけではなく、その由来となった数学的背景を簡単に紹介する記事になっています。素数は のように数がただ並んでいるだけに思われるかもしれません。しかしながら、2…

合成数のときのウィルソンの定理

突然ですが、100の階乗を101で割ったあまり を考えてみましょう。実際、計算しようと思うと大変ですがとなります。これを で割ったあまりは、ちょうど になります。ほかにも、 はであり、これを で割ったあまりは となります。 実はこれ、一般に成り立つ話な…

【あけおめ】2022を素因数分解しよう

あけましておめでとうございます!今年も楽しく日曜数学して、その様子を発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! ぜひ一緒に日曜数学しましょう! 2022年最初の記事では2022を素因数分解してみたいと思います! もちろん、素数チェッ…

電子計算機を使わないで発見された最大の素数 (2^148+1)/17(Ferrierの素数)

日曜数学 Advent Calendar 2021 の17日目の記事です。 今日はという数について考えたいと思います。この数、桁数が 44桁 もある巨大な数なのですが、なんと 素数 であることが分かっています。1951年に素数であることが証明されたのですが、面白いことに電子…

フィボナッチ数の逆数和がテータ関数を使って表せるという話

今日のテーマは フィボナッチ数 です。またかと思われるかもしれませんが、最近たしかにフィボナッチ数の話が多いですね。 今日の切り口は、フィボナッチ数の逆数和 です。特に、奇数番目のフィボナッチ数の逆数和について考えたいと思います。 式 の和を100…

「隣り合う立方数の差」はどのような素数で割り切れるか?

今日は久しぶりに数学の話題を。もりしーさん( @9973_prm )の以下のツイートの話が面白かったので、今日はこの問題について考えてみたいと思います。立方数と立方数の差って大体素数じゃん、って思ったけど5^3と6^3の差がまさかの91でわろた— もりしー@素…

(a○+b)×(a△+b)=(a□+b)になるa,bの条件と中国剰余定理

数学ファンの鯵坂もっちょさんがツイートしていた問題が面白かったので、今日はその問題について考えてみたいと思います。あれ、もしかしてan+b(a,b,nは自然数、a,bは互いに素)型の数が積で閉じてるのってb=1のときだけか— 鯵坂もっちょ (@motcho_tw) 2021年…

フェルマー商

今日は整数論の面白概念の一つである フェルマー商 を紹介したいと思います。 まず、フェルマーの小定理という、合同式を考える上で大変有用な定理から話を始めます。定理(フェルマーの小定理) を で割り切れない任意の整数とする。このときが成り立つ。 …

自由研究:レピュニットが素数で何回割れるのか問題

一つ前の記事で「LTEの補題(指数持ち上げ補題)」という有名な補題について勉強しました。せっかくなので、この補題を何か他のネタにも使えないかと考えました。LTEの補題とは、こんな主張の補題でした:LTEの補題(指数持ち上げ補題) を奇数の素数とする…

線形合同法(擬似乱数生成法)の周期

世の中の現象の中には「ランダム」な現象が多々あります。たとえば、サイコロを振るのは分かりやすいランダムな現象の例です。他にも天気や地震、ギャンブルなども分かりやすいランダムな現象の例です。一方で、コンピュータの中で行われる計算は、一定のア…

1/512の有限小数と冪零元

今日は5月12日なので 512 の日ですね! なので、2のべき乗で表せる数というわけです!嬉しいですね!(え、嬉しくないですか?) 楽しくなってきたので他にも面白い性質ないかなと、Wikipediaの「512」という項目を調べてみると、次のような性質を見つけまし…

モジュラー曲線(5):メイザーの定理

モジュラー曲線というのは、上半平面 を の合同部分群で割ったものとして定義されます。定義からは、明らかに複素解析的な対象に見えると思います。ところが、実はモジュラー曲線は数論的な対象でもあるのです。わかりやすい応用として、楕円曲線の位数有限…

「π>3.05を凄すぎる方法で証明」を整数論的に考える

「」を示す問題が2003年の東大入試で出題されました。これは有名なのでみなさん良くご存じかと思いますが、一方で以下の動画のような解法はご存知でしょうか?www.youtube.comたいへん面白い解法なので、まずは一度ご覧いただきたいです。動画の解説もとても…

(自由研究)49をmod 100でべき乗する話の一般化?

横山明日希さんのこちらのツイートの内容がとても興味深かったので、自分でもいろいろ一般化ができないかと考えてみました。4月9日です!「49」は、「奇数回かけると下二桁が49になる」というちょっと面白いを持っている数です! pic.twitter.com/eWair1rc0A…

ラマヌジャンの円周率公式

今年も3月14日、3.14の日がやってきました。3.14といえば、もちろん円周率の近似値ですね!円周率の近似値にちなんで、世界的には 円周率の日(英語圏だとPIの日)と呼ばれているそうです。 毎年、この日にブログに書きたいと思っていた(できずにいた)話が…

ヒルベルトの第12問題(類体の構成問題)に進展があったらしい

センセーショナルな数学関連のニュースが飛び交っている昨今ですが、私にとって特に注目したい情報が入ってきました。それが ヒルベルトの第12問題 に関する進展です。 「総実体上のヒルベルトの第12問題を解いた」 というプレプリントが 3/4付 でarXivに投…

マチンの公式と14個のペル方程式

今回の記事は「シリーズ:連分数とペル方程式」の3日目(最終日)の記事となっています。関連する記事は こちら からご覧いただけます。今日のテーマは、円周率の マチンの公式 です:この公式を使うと、円周率を高精度で計算できることが知られています。…

ペル方程式の連分数を用いた魔法の解法

今回の記事は「シリーズ:連分数とペル方程式」の2日目の記事となっています。関連する記事は こちら からご覧いただけます。今日はこんな問題を考えてみましょう。兵士たちが正方形に並んでいる。これを1軍団とする。その軍団が「61」ある。これに王様が一…

連分数展開とその計算方法【連分数計算アプリの紹介付き】

今回の記事は「シリーズ:連分数とペル方程式」の1日目の記事となっています。関連する記事は こちら からご覧いただけます。今日は、連分数展開 について紹介したいと思います。3日連続 で 「連分数」 に関連する記事を公開したいと思っています。明日以…

「23」とフェルマーの最終定理

本日は 2/23 ということで、この日付にまつわる楽しい数学の話をしたいと思います!お話したいのは、23 という数そのものが持つ性質についてです。 は素数なので、素数についての話かと思った方もいるかもしれません。もちろん、素数であることは大事なので…

計算が間違っているのに結果が合っている分数の和 #有害分数

一年生の和(freshman sum) というものがあります。分数の和の計算を計算するときに、通分して計算すべきところを、間違えてのように計算してしまうというアレです。一般に分数の和の計算は難しいものですが、上の式が成り立てば分数の和の計算が楽になるの…

UFD限定「オイラーの素数生成多項式」の証明

今日は「オイラーの素数生成多項式」についての話です。この多項式に を代入した数はなんと すべて素数 になることが知られています。(素数)(素数)(素数)(素数) を入れると となって合成数になってしまいます。しかしながら、それまでの実に 個もの…

mod mのべき乗余が何通りの値を取るかという話

1つ前の記事に関連して 「 がどんな値をとるのか」 という問題が気になりました。 tsujimotter.hatenablog.com上の記事では のとき のとき となる、つまり の全ての値を取ることを示しました。鯵坂もっちょさんの可視化の方法を用いるならば、右肩上がりの…

「互いに素でない場合」のオイラーの定理

を正の整数としたとき、 を と互いに素な任意の整数としてが成り立つことが知られています。 はオイラーのトーシェント関数といって、この合同式はオイラーの定理として知られています。 これは素数を使った有名な暗号の一つ「RSA暗号」の理論的背景に使われ…

素数生成多項式と虚2次体の類数 (2)

昨日は、オイラーの素数生成多項式に関して「私の発見」を紹介させていただきました。 tsujimotter.hatenablog.com執筆時は、この研究の先行研究にあたるものを発見できず、「先行研究はあるかわからないが独自にこんな発見をした」というスタンスを取ってい…

(独自研究)素数生成多項式と虚2次体の類数

今回の記事は、素数がたくさん登場する多項式に関連する話題です。今回は私がこの式について考えているうちに、思いついて実施してみた独自研究について紹介したいと思います。どこかの本に書いてある話ではないので、誤りを含んでいる可能性も大いにあるか…

「数体の素元星座定理」に関するプレプリントについて

2021年 に入ってすぐに、とんでもないニュースが飛び込んできました。もちろん、数学のニュースです。東北大学の研究チームによる論文のプレプリントがarXivで公開されました。タイトルは "Constellations in prime elements of number fields" で、こちらの…