tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

整数論

分数の足し算で「約分」が発生する条件(3)

最近、頭の中が「分数の足し算」でいっぱいなtsujimotterです。こんにちは。前回・前々回の記事から引き続き、分数の足し算の話題です。過去記事はこちらをご覧ください: tsujimotter.hatenablog.com tsujimotter.hatenablog.com さて、これまで分数の足し…

分数の足し算で「約分」が発生する条件(2)

早速ですが、昨日の記事の続きです。 tsujimotter.hatenablog.com 前回の記事では、分数の足し算の計算で約分が発生する条件について考えました。特に、結果の分母・分子が素数 で約分されるならば、 が で割り切れる回数 はであることを示しました。 今回は…

分数の足し算で「約分」が発生する条件

こんにちは! 日曜数学者のtsujimotterです! 今日は 分数の足し算 について考えたいと思います。きっかけは学生のプログラミング課題でした。tsujimotterは大学でPythonとC言語を教えているのですが、ある日の課題で「分数の足し算を計算する関数を作れ」と…

訂正記事:前回の証明は第Ⅳ証明ではなかった

ガウス和について勉強していくうちに、前回紹介した「平方剰余の相互法則の証明」の記事の内容に関して、誤解があることを発見しました。今回の記事は、その誤解についての 訂正記事 です。私が誤解に気づいたきっかけは、以下のPDF記事でした。 アンドレ・…

平方剰余の相互法則の証明(ガウス和を用いた方法)

3日連続ガウス和シリーズ、最終日の今回のテーマは 「平方剰余の相互法則」 です。平方剰余の相互法則は、整数論を勉強する人の多くが憧れる定理の一つで、いよいよここまできたかという感じがします。 なお、ガウス和シリーズの記事は、以下のタグで見るこ…

ABC予想のよくある間違い

望月新一先生の「宇宙際タイヒミュラー理論」に関する論文が、論文誌に採録されることが決まったというニュースが飛び込んできました。 mainichi.jp論文の原稿は8年も前から発表されており、その内容の壮大さから、数学好きの間で度々話題になっていました…

ガウス和の性質についての証明

前回の記事で、ガウス和 についての面白い定理を紹介しました。せっかくなので、ガウス和シリーズ と題して、3日連続でガウス和にまつわるお話を紹介したいと思います。このシリーズの全記事は「ガウス和」のタグで閲覧できるようにします。 tsujimotter.ha…

√pの作り方(ガウス和)

一昨日にこんなツイートをしてみたら、思った以上に多くの方に面白がってもらえました。せっかくなので、この記事を通して「種明かし(?)」をしたいと思います。√pの作り方 pic.twitter.com/qy2gzay6EW— tsujimotter (@tsujimotter) 2020年3月31日 今回は…

「ユークリッド整域」ならば「単項イデアル整域」の証明

最近、「素数と2次体の整数論」という本の読書会をはじめました。素数と2次体の整数論 (数学のかんどころ 15)作者:青木 昇発売日: 2012/12/21メディア: 単行本主に数学デーというイベントの中で毎週1、2回程度開催して、少人数で濃い勉強をしています。「…

円周率の「一風変わった」近似式

今日は 3/14 、すなわち 「円周率の日」 ということで、円周率の一風変わった近似式を紹介したいと思います。今回紹介したい式はこちらです:ここで、 は自然対数です。 「なんじゃこりゃ」というような式ですが、実際に計算してみるとその精度の高さに驚き…

任意の自然数は高々53個の4乗数の和で表せる

昨日紹介した「モジュラー形式の本」にまたまた面白い話が載っていたので紹介したいと思います。1足す1から現代数論へ: モジュラー形式への誘い作者:アッシュ,アブナー,グロス,ロバート発売日: 2019/07/27メディア: 単行本 ウェアリングの問題 このブログで…

#素数大富豪札幌杯 で出された合成数出しカマトトについて

先日、素数大富豪の大会が札幌で開催されました。その名も「札幌杯」。一時期は開催が危ぶまれましたが、なんとか無事開催されることになりました。少し長い動画ですが、YouTubeで大会の様子を見ることができます。 www.youtube.com札幌杯では 「数学的に面…

ケンタッキーのサイドメニュー問題と重複組合せ

去年の年末、ケンタッキーに行ったときのことです。オリジナルチキン4ピースパックを注文することにしました。 www.kfc.co.jpこのパックでは、以下の4種のサイドメニューのうち1個を選ぶことができます。 ・ポテトS ・クリスピー ・ビスケット ・コールスロ…

フェルマー数を使った素数の無限性の証明

今日は数論の話をしましょう。今回の主役は フェルマー数 です。フェルマー数とは、0以上の整数 に対しての形をした数のことです。 が自然に現れる問題としては 正多角形の作図 がよく知られています。 を素数として、正 角形が作図可能である必要十分条件が…

#2020になる数式 (マニアック編):判別式-2020の2次形式

2020年最初に作ったアプリが、おかげさまでたくさんの方にみてもらえているようです。「2020」という数は、・2つの平方数の和・3つの平方数の和・連続する4つの素数の平方数の和・10連続偶数の平方和でそれぞれ表せる数らしいので、その性質を可視化するペー…

#2020になる数式 について考えてみた

明けましておめでとうございます!いよいよ 2020年 ですね。2020年といえば、だいぶ前から話題に上がっていたオリンピックイヤーがいよいよやってきたという感じですが、今年はどんな一年になるのでしょうか。良い年にしていきたいですね。2020年になったと…

ガロア表現の基本的なところ(準備編)

明日、ガロア表現を使った記事を書きたいと思うのですが、その内容を理解するための準備編として、今日はガロア表現の基本的なところをまとめたいと思います。注意: 「基本的なところ」と銘打っておきながら申し訳ないのですが、今回の内容は非常に難しい内…

レピュニットと円分体の分解法則

本日 11/11 はレピュニット(1が続く数)の日ですね。毎年この日が来るとtsujimotterはこちらの記事をTwitterに投稿しています。 tsujimotter.hatenablog.com この日は数学が好きな人たちの間でも、レピュニット関連の話題がたくさん投稿されるのですが、特…

「増税問題」が解決しました

増税問題は「消費税の増税に伴って総額表示に現れるようになった新しい数はどのような数か?」という数学の問題のことで、次の記事で問題提起しました。 tsujimotter.hatenablog.com記事を公開してみると、早速 id:asangi_a4ac さんによる鮮やかな解答が寄せ…

増税問題

2019年10月1日に消費税が8%から 10% に引き上げとなりました。正確にいうと、軽減税率というシステムが導入されるようなので、8%と10%が混在することになるみたいです。本記事のタイトルは「増税問題」です。ここでは、消費税増税について一言申し上げたい・…

【ネタ計算】12の345乗を691で割った余りを計算してみた

出先なので正確じゃないですが、690 ですか? #peing #質問箱 https://t.co/mgoDz0QsZg— たけのこ赤軍@9/22名古屋プリパ (@691_7758337633) 2019年9月19日 上のツイートをみて、面白そうだなと思ったので、計算してみました。ただし、普通に計算しても面白く…

続々々・12 = 3×4, 56 = 7×8

12 = 3×4, 56 = 7×8シリーズの第4弾。まさか続くと思っていませんでした。シリーズの記事は「12 = 3×4, 56 = 7×8」というタグでまとめていますので、よろしければご覧になってください。 tsujimotter.hatenablog.com 今日のテーマ 前回までの記事を公開した…

続々・12 = 3×4, 56 = 7×8

前々回の記事 で、 型の問題に対してという拡張が考えられるという話をしました。式 の方は 前回の記事 で扱ったので、今回は式 を解いてみたいと思います。 つまり、今回の問題はこれです。正の整数 が と、次の式を満たすとする:このとき、 の組を求めよ…

続・12 = 3×4, 56 = 7×8

前回に引き続き、 関連の問題を考えたいと思います! 前回の記事を読んでいない方は、ぜひ読んでみてください: tsujimotter.hatenablog.com 前回はロマンティック数学ナイトの登壇者・藤坂さんのツイートをきっかけに、 というタイプの式は、 の他には存在…

12 = 3×4, 56 = 7×8

こんにちは、tsujimotterです。まずはこちらのツイートをご欄ください。【8/24ロマンティスト紹介その6】藤坂一麦2001年5月28日 数学の存するこの世界に生まれる2008年頃 12=3×4,56=7×8の美しさに感動する2015年頃 三角関数のテイラー展開の神秘…

ヘロンの三角形と連分数

今日の話題は、数学のお兄さんこと横山明日希さんによるこちらのツイートから。3辺の長さが整数723、724、725で構成される正三角形に近い三角形の面積は、なんと整数226974になる pic.twitter.com/tOy63OJZ6h— 横山 明日希-数学のお兄さん- (@asunokibou) 20…

1729とK3曲面

こんにちは。本日、東京にて 日曜数学会 というイベントが開催されますね。日曜数学会は毎年1月・6月・10月の3回開催されていますから、実に5ヶ月ぶりとなります。5ヶ月も経つと「発表したいネタ」が溜まるようで、毎年この時期は発表者がたくさん集…

単項化定理と群コホモロジー

こんにちは。最近、群コホモロジーがマイブームのtsujimotterです。群コホモロジーといえば、以前の記事で群コホモロジーに関する定理「ヒルベルトの定理90」を使って、クンマー理論を導く話を書いたことがありました。 tsujimotter.hatenablog.com今回は ヒ…

33 = X^3 + Y^3 + Z^3 の整数解

今回のテーマは 33 という整数についてです。今朝、アフィンスキームについての重い記事を投稿したばかりですが、この記事では軽い感じでいきましょう。 を固定した自然数として、 なる方程式の整数解を考えたいと思います。

階乗数の間の関係式:10! = 6!7!

今日は が主役です。 は定義からですが、ここから を除いたを考えてみましょう。 のように置き換えるととできて、これは そのものです。したがって、表題の が成り立ちます。 これだけでも十分面白いのですが、実は という関係式には、こんな面白い特徴があ…