読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

グロタンカットをしないという選択

アドベントカレンダー 数学 素数

この記事は、素数大富豪アドベントカレンダー 2016 の4日目の記事です。

昨日は、みうらさんによる熱い togetter まとめでした!みなさん、読みましたか?読んでいない方はぜひ!
togetter.com


素数大富豪、最近流行っていますね。素数が好きな数学ファンはもちろんのこと、数学のことを知らない人でも素数や数に親しむことができる点が、人の心を掴んでいるのではないかなと思っています。

方々で公言している通り「素数が大好き」な私ですが、実は素数大富豪はあまり強くありません。人より素数をたくさん覚えている方だと思うのですが、戦略が下手で、カードを出したり引いたりするタイミングが悪く、思うように勝つことができません。

戦略の一つとして、57 という数、すなわち

グロタンディーク素数

をどのタイミングで出すのか、という問題があるかと思います。

素数大富豪をしているみなさんにとっては、この 57 という数はとりわけ重要な数ですね。素数ではないにもかかわらず素数大富豪で出すことができる。大富豪の「8切り」ように場をカットして(これをグロタンカットと呼ぶようです)流すことができるので、ここぞというときに使えるのですね。

f:id:tsujimotter:20161201233556p:plain:w400

私はこの 57 を出すタイミングがいまいちわからないのですが、上手い人の戦略をみると、5 と 7 を手元に残しておいて、5 と 7 と「何か素数」を持っているときに、57 で切ってから「素数」を出して勝負を決めるというパターンがあるようです。

グロタンカット禁止令における戦略

5 と 7 があったらグロタンカットを決めたくなるのは人の心理。ここで、あえてグロタンカットをやめてみたらどうでしょうか。グロタンカット禁止令です。

今日は、普段単独で使われる 57 に、ほかのカードを追加して得られる素数を探してみたいと思います。


57 の後ろにカードを1枚足す とどうなるでしょうか。素数は以外と少なくて、以下の3つだけとなります。

571, 577, 5711

とりわけこの 5711 という素数は面白いと思います。

なぜなら、5 と 7 と 11 を手元で持っているとき、以下の3パターンの手がとれるからです。

  1. 1枚出し可能な条件のとき、11 を出してから、相手の手持ちのカードに 13 以上がなければ 57 を続けて出せる。
  2. 2枚出し可能な条件のとき、 57 を出してグロタンカットしたのち、11 で上がれる。
  3. 3枚出し可能な条件のとき、5711 を出すことができる。

素数大富豪においては、出すことのできる手の自由度が多いほど有利と考えられますので、これだけバリエーションがあるのは嬉しいですね。

もう1つポイントを挙げると、こうやって自分で見つけた素数って、もう二度と忘れないんですよね。私は自分で見つけた 5711 に愛着がわきました。


逆に頭にカードを1つ足して得られる素数を考えてみましょう。以下の6個です。

157, 257, 457, 557, 757, 857

バリエーションは多くなりましたが、比較的小粒の素数が集まっていますね。


57 の間に1枚カードを入れたらどうでしょう。

547, 557, 577, 587, 5107

逆のパターン(75 の間に1枚入れるパターン)も探してみると、なんと素数はありませんでした。

ってこれは当たり前ですね。末尾の桁が 5 であれば、すべて 5 で割り切れてしまいますから。


というわけで、これにて一通り探索できたと思います。

まとめ

今日は、57 というグロタンディーク素数をあえて出さないで、新しい素数を作る方法を紹介しました。その結果、5711 というちょっぴり面白い素数を得ることができました。グロタンディーク素数があることによって、5711 の存在が隠され、この素数を知っている素数大富豪プレーヤーはなかなかいないんじゃないかなと分析しています。

最近では「あえて覚えている素数を使わない」ようにして、素数っぽいカード3桁の数を場に出して新しい素数に出会う機会を増やそうとしています。素数大富豪は「素数に出会えるゲーム」なのですから、決まった素数だけしか出せないんじゃ面白くないですよね。

こんな風に、あえて定石を崩していくことで新しい素数を知ることができる。冒険していくことで、素数大富豪の新たな武器を得ることができるかもしれません。

私なりの素数大富豪の楽しみ方、そして素数の味わい方ということで、ご紹介させていただきました。

それでは今日はこの辺で。


明日は、素数大富豪アドベントカレンダー企画者であるにせいさんによる記事です。明日の記事も楽しみですね!