ここに二つの2次無理数があります。
は、どちらも判別式が となる2次無理数となっています。
が2次無理数であるとは、 が既約な2次方程式
の解であるということです。このとき、 を の判別式と言います。判別式が負であるような2次無理数を虚2次無理数と言います。今回は虚2次無理数を扱います。
続きを読む今日は、モジュラー曲線の話の続きを書きます。前回の記事 では、フルモジュラー群 の定めるモジュラー曲線 を考えましたが、今回は 合同部分群 に対応するものを考えたいと思います。
tsujimotterは、この合同部分群の定めるモジュラー曲線の話がしたくてこのシリーズを書き始めました。かなり難しいテーマだとは思いますが、面白い内容だと思いますので、よろしければぜひご覧ください。
今日から3回にわたって モジュラー曲線 をテーマとしたお話をしたいと思います。「モジュラー曲線?ああ、あれね」といった具合に、頭の中でイメージできるようになることを目標としたいと思います。
以前から気になっていたトピックなのですが、先日日曜数学仲間の方と一緒に計算してみて、ようやく理解した気になれました。tsujimotterにとってもホットなトピックで、ぜひ自分の言葉で記事にまとめたいと思ったのがこの記事の動機です。
まずは基本的なモジュラー曲線 について紹介します。実は、次の記事で という、より高度なモジュラー曲線について紹介したいと思っています。最終的に話したいのは、 の方なのですが、今回はそのための準備の回と位置付けています。
それでは、よろしければお付き合いください。
虚数乗法シリーズ、第3回目です。
今回は「虚数乗法」という呼び名に納得してもらえるような話をしたいと思います。記事を読み終わったみなさんが、タイトルのような感想を持つことを期待しています。
簡単にあらすじをお話しましょう。
前回、「 上の楕円曲線の -有理点 」と「格子で割った複素数平面 」が対応していることを学びました。
楕円曲線 を代数側、複素数平面 を解析側と呼ぶことにします。両者をつなぐ写像を解析的同型写像と呼びます。
虚数乗法とは、解析側で考えると単に「(整数でない)複素数(=虚数)を掛けること(=乗法)」だと思うことができます。まさに「虚数」「乗法」です。
続きを読む虚数乗法シリーズ、第2回目です。
今日は、楕円曲線の基本的な事項についてお話します。この記事を読んだら、楕円曲線の由来が楕円関数からきていることが納得できるかと思います。
また、度々言及される 「楕円曲線はトーラスの形をしている」 ということの意味について解説したいと思います。
続きを読む今回から数回に分けて 虚数乗法 について解説するシリーズをはじめたいと思います。
その初回として「虚数乗法とは何なのか」「虚数乗法の何がおもしろいのか」について、かいつまんで紹介したいと思います。これを機に虚数乗法について興味を持っていただければ幸いです。
概略を紹介する記事ですので、細かいところは理解しなくても問題ありません。詳しい説明は、本シリーズの別の記事でじっくり行いたいと思います。
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