類数1の虚二次体 は完全に決定されていて,虚二次体を として
の 9 つだけであることが知られています。これがベイカー・スタークの定理です。
今日はこの定理の「ベイカーによる証明」をご紹介したいと思います。
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の 9 つだけであることが知られています。これがベイカー・スタークの定理です。
今日はこの定理の「ベイカーによる証明」をご紹介したいと思います。
続きを読むゼータ関数強化月間 第2弾 として,今日は
を紹介したいと思います。
デデキントのゼータ関数によって「類数」が求まる 「類数公式」 についてお話したいと思います。
証明の流れが非常に面白いので,そのあたりを楽しんでいただければと思います。
続きを読む最近「ゼータ関数」の話はこのブログで書いておらず,しばらくご無沙汰でした。最近学んでいる理論を調べているうちに「ゼータ熱」が再燃してきました。
啓蒙書でお話程度に聞いていて「抽象的でよくわからないなぁ」と思っていた対象が,だんだんつかめてきて面白く感じてきたのです。
今日は、そんな「ゼータ関数」に関するトピックの中から「行列式表示」に関するお話をしたいと思います。
「ゼータ関数」と「行列式」とは、少々意外な取り合わせに見えますね。でも、このへんがつながってきたら面白そうに思えませんか。
続きを読む57 という数は「グロタンディーク素数」と呼ばれています。グロタンディークという高名な数学者が「57 を素数と間違えた」というエピソードに由来しています。
このエピソードは,私のブログでも紹介したことがありました。
tsujimotter.hatenablog.com
上の記事でもご紹介した通り, という数は,実際は で割り切れるのです。だから,素数ではありません。
一方で,この数が で割り切れることを示すのは難しいのでしょう。あのグロタンディーク先生が間違えたのですから。
実際,「 が で割り切れる」を示すためには, を で割り算しなければいけません。割り算です。きっと難しいに決まっています。
そこで今回の記事では,実直に割り算するのではなく,もっと別の方法で「 は で割り切れる」を示すことを試みたいと思います。
今日紹介するのは「 は で割り切れる」の別証明 です。
使う道具は,虚二次体の類数 です。
続きを読む91 という数は、見た目が素数っぽくてつい間違えてしまうという
素数と間違えやすいので、たとえば素数を使ったカードゲーム*1においては、間違えて悔しい思いをした方もいるかもしれません。
「いやな数」と思われがちな 91 ですが、tsujimotterとしてはどんな数でも好きになってもらいたい。
そんな風に考えていたかどうかはさておき・・・
もしかしたら 91 が素数判定で活躍するかもしれない というアイデアを得ましたのでご紹介します。
*1:たとえば、「素数大富豪」という素晴らしいトランプゲームがあります。 integers.hatenablog.com
といえば、ラマヌジャンの「タクシー数」のエピソードを思い出します。
という数に、ラマヌジャンが一瞬で「2通りの3乗数和の形で表せる最小の数」という意味を見出した、という話はよく知られていますね。
この式を導くポイントは、 という数が であることです。 と はなんとなく覚えている人が多いでしょうから、比較的自然に導くことができます。
さて今日は、この という数とラマヌジャンの「もう一つのつながり」を見せるエピソードをご紹介します。
続きを読むこれまで「類体論」の勉強をしてきましたが,その集大成となる記事を書きたいと思います。本日扱いたいのは,およそ一年前に紹介した以下の問題です。