Aさん「私はBくんのことが大好き!」
Bくん「僕はその100倍好き!」
Aさん「じゃあ私はその1000倍好き!」
俺「y=100x,x=1000yだからx=y=0」
というネタがツイッターで流れてきたので、私も乗っかりたくなりました。
普通に実数上で上記の式を考えてしまうと になってしまうわけですが、たとえば とかで考えれば別の解が存在することになりますね。
以下のページで詳しく書いてありましたので、ご紹介します。
さて、私の方はというと、これを「楕円曲線」で考えたくなったというわけです。
楕円曲線 上の任意の点には、自然に「加法(+)」という演算を入れることができて「アーベル群」をなします。この場合の単位元 は「無限遠点」になります。
加法を 回繰り返せば 倍という写像も自然に定義できます。
また、 が に一致するとき、 を楕円曲線 等分点といいます。 回繰り返すと戻ってくるということですね。こんな風に戻ってくる点もあれば、二度と戻ってこない点もあります。戻ってくる点のことを「ねじれ点」と言ったりもします。
さて、先の問題に話を戻すと、彼女の愛情を点 とし、彼の愛情を点 とします。楕円曲線では 倍とか 倍とかを考えることができますから、先ほどの記事と同じ議論ができますね。
結果的に、3倍か41倍か271倍して になる、等分点を持つような楕円曲線を見つけてくればいいわけですね。
たとえば、
という曲線を考えて、この曲線に無限遠点を加えると楕円曲線になります。これを とすると、 にはたとえば という3等分点があります。
ははるか無限遠 なので、図には現れません。
彼女と彼の点を としておけば、元の条件は成り立ちますね。
ところで、先の記事では を除いていましたが、ふと も許しても面白いんじゃないかと思いました。
なので 「彼も彼女も無限遠点にいる」ことになりますね。こっちの方が少しロマンチックな感じがしませんか?笑
無限遠点といえば、恋い焦がれる場所でもあります。
加藤先生・臼井先生というお二人の数学者の掛け合いによって生まれた、こんな川柳を思い出します。最後にご紹介して終わりにしましょう。
数学は 無限遠点 恋う心 恋うて焦がれて 遙かな旅路
それでは、今日はこの辺で。
おまけ
無限遠点で愛し合うカップルその2
togetter.com
参考文献
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