tsujimotter は,昨日 5 月 9 日に 歳の誕生日を迎えました。 は, と と を素因数に持つ最小の正の整数です。
ちなみに,5 月 9 日の という数字は,単に「素数」というだけでなく,その中でも特に珍しい「非正則素数」だったりして,結構気に入っています。非正則素数は,100 以下にたった3個しかないんですよ。
あと,さっき調べていて初めて知ったのですが,正十二面体の星型って,全部で 59 種類なんだそうですよ!
さて,せっかく誕生日を迎えたので,数学になぞらえて何かしたいなと考えていたところ,ちょうどタイムラインにこのようなツイートが流れてきました。
ゼータ関数を食べたい - 素数Tシャツ
https://twitter.com/shinchan_prime/status/595770923220860929
やりましょう!
というわけで,今日は食べることのできるゼータ関数,
を作ってみたいと思います!
(30にして初めてのケーキ作りでした。)
材料
・スポンジ(5号サイズ/2袋)
・生クリーム(200ml/3パック)
・いちご(たくさん)
・砂糖(スティックシュガーで代用)
・ローソク(1本/長め)
・ゼータ関数(見本/あれば)
ローソクは「ゼータ関数の極」を表すのに使うので「長さが重要」です。あとの材料は普通のスポンジケーキと同じです。
見本
ゼータ関数の見本には,前回の記事でご紹介した「触れるゼータ関数」を参考にします。
tsujimotter.hatenablog.com
こちらの実物があれば理想ですが、なければ3Dモデルの画像を見ながら作ってみましょう。
レシピ
1. スポンジを切る
2. 生クリームをホイップする
ちょっと固めぐらいがいいと思いますが、料理分からないので適当で。
電動泡立て器(ハンドミキサー)が大活躍。
3. 土台を作る
味も大事なので、切ったイチゴを乗っけて行きます。
4. 土台を重ねて行く
重ねたら上にクリームを塗って行きます。
左半平面を順に重ねて行きます。間に生クリームとイチゴを入れることを忘れずに。
倒れてしまわないように、クリティカル・ライン(ゼロ点が並ぶ直線)上は、生クリームで埋めておきます。
3段目まで乗ったら土台を作る作業は完了です。
生クリームで周りを固めて、形を整えておきましょう。
裏から見るとこんな感じ。
5. ゼロ点を掘る
割り箸を使って「非自明なゼロ点」を掘ります。
崖の部分の溝も「非自明なゼロ点」に合わせて掘っていくときれいです。細かい造形は、竹串をつかうとよいでしょう。
実はこのあと、「自明なゼロ点」の周辺もスプーンで掘っていたのですが、写真を撮り忘れました。。。
6. 極を立てる
極の位置に生クリームで軽く山を作ってから、ロウソクをたてます。
最後に、ロウソクの周りのクリームを整えて・・・
7. 完成!!!
ようやく完成しました!
準備開始から、実に2時間!笑
ロウソクに火をつけて・・・
上から見ると、ゼロ点が一直線上に並んでいることがわかりますね!
ゼロ点がロウソクの明かりに照らされて幻想的に見えますね。
食べてみた
まずは、クリティカル・ライン上に包丁を入れてみた。
断面は生クリームでいっぱいでした。濃厚な味がしそうですね。
普通に断面を切ってみると、中にはイチゴと生クリームの層構造が。
イチゴが余っていたので、上に乗っけて・・・
ゼータ関数うまい!
twitter 上での反応
twitter で作業経過を実況していたところ、いくつか面白い反応が寄せられましたので掲載します。
@tsujimotter これは「まともな精神状態じゃない」と言われて仕方ないww
— さのたけと (@taketo1024) 2015年5月9日
@tsujimotter うん、何か予想してましたw (これを「リーマン予想」といいます(嘘))。お誕生日おめでとうございます。
— 綾塚 祐二 (@ayatsuka_yuji) 2015年5月9日
触れるゼータ関数の時点で相当謎だったけど、食べられるゼータ関数まで作られてしまったのか(困惑)
— 神🆗師 イカロ(コアラ) (@icalo35) 2015年5月9日
年の数だけ零点を食べる。 https://t.co/Jyu0RkfuP4
— キグロ (@kiguro_masanao) 2015年5月9日
https://twitter.com/shinchan_prime/status/597047428001374208
素数Tシャツさん、さすがです。
後半の奇数点の話が分からない方のために解説すると、ゼータ関数の奇数点の値、つまり の値が無理数であるかどうか、という問題の話です。
ゼータ関数の偶数点 が無理数であることは、比較的容易に証明できるのですが、奇数の場合はそう簡単ではありません。
については、アペリーというフランスの数学者が 1977 年に無理数であることを証明して話題になりました。ほかの奇数点に関しては、無理数かどうかはまだ分かっていません。これもちょっと面白い定理があって、 の少なくともいずれか1つが無理数である、ということが示されていたりします。
証明されていないので、だれも無理数かどうかは知らないわけですが、食べてみれば分かるのかもしれません!
虚部の方から順に食べて行ったのですが、量が多くて食べきれませんでした。実軸付近はまだ到達していないので、明日挑戦してみようと思います。
無理数の味って何だろう?笑
最後になりましたが、twitter, FB等でお祝いしてくださった方、ありがとうございました!
それでは今日はこの辺で。
宣伝
ちなみに,冒頭で紹介した「触れるゼータ関数」は以下のページで販売もしておりますので,気に入った方はぜひご購入ください。笑
触れるゼータ関数(フルエディション) - DMM.make クリエイターズマーケット
触れるゼータ関数(ミニエディション) - DMM.make クリエイターズマーケット
追記
クックパッドにも載せました!笑
cookpad.com