1つ前の記事に関連して 「 がどんな値をとるのか」 という問題が気になりました。
tsujimotter.hatenablog.com
上の記事では
- のとき
- のとき
となる、つまり の全ての値を取ることを示しました。鯵坂もっちょさんの可視化の方法を用いるならば、右肩上がりの階段状になります。
(横軸が で、縦軸が となっています)
「 が と互いに素であるかどうかに関わらず」このようになるというのが面白かったわけですね。
一方で、 乗した場合については、特に法則はなさそうに見えました。何か法則はあるのでしょうか。
そんなことを考えているうちに、青山学院大学の中川貴仁さんの卒論研究を見つけました。
整数のべき乗とオイラーの定理について
中川貴仁 (西山研究室)
http://www.gem.aoyama.ac.jp/~kyo/sotsuken/2014/nakagawa_sotsuron_2014.pdf
中川さんの論文によると、 が相異なる 個の素数の積で表されるとき、すなわち
のとき、 の値は 個通り の数をとるそうなのです。
が と互いに素のときは、オイラーの定理により ですから、常に の値をとります。上の話は、 が と互いに素とは限らないときも含めて、何パターンの値を取りうるかを教えてくれます。
そんなことが証明できるのですね。大変面白かったので、証明を紹介したいと思います。
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