本シリーズの教科書はこちら。
- 作者: 青木昇,飯高茂,中村滋,岡部恒治,桑田孝泰
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 2回
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*諸注意*
この企画の基本的なスタンスは「教科書の内容をそのまま理解しよう」です。(他の記事と違って)私の解釈で説明を再構成したり、必要以上に手の込んだ図を作ったりはしないつもりです。少々不親切な説明になってしまうかもしれませんが、その辺りはご了承ください。
「記法」や「定義」などの基本的な情報は「可能な限り」書くつもりですが、常識的に分かる部分はところどころはしょっていきます。細かい記法や定義は上記の本に準ずるという事で、できれば購入の上、参照ください。
初回(#0):本記事
次回(#1):約数と倍数
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明けましておめでとうございます。
本年も相も変わらず「日曜数学」を実践して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、長かった「明日話したくなる数学豆知識アドベントカレンダー」も終わり、2015年も始まりました。ちょうどよいタイミングなので、tsujimotter の新年の目標を考えてみました。
新年の目標は複素解析
— #tsujimotter (@tsujimotter) December 26, 2014
いきなり、タイトルと関係ないやん、と思われたかと思います。そうです、ほとんど関係ありません。笑
新年の目標は「複素解析」と言ったばかりの tsujimotter ですが、実はもう1つ、力を入れて勉強していきたい領域があります。それは「整数論」です。
特に理解したいのは、以下の定理です。
《ベイカー・ヘーグナー・スタークの定理》
平方因子を含まない負の整数 に対して,虚2次体 の類数が であるのは,の 個に限る.
上で挙げた 9 つの数が《ヘーグナー数》と呼ばれていて、それが《ほとんど整数》と関連がある、という興味深い話は、以下の記事でかなり暑苦しく語ったので、覚えている方もおられるかもしれません。
「今年から勉強する」といっても、まったく 0 からのスタートという訳でもありません。整数論は、これまでもちょこちょこと勉強をしていたので、ざっくりと用語の意味ぐらいはわかる、という程度の知識はあります。
「虚2次体の類数が 1」というのは「イデアル類群の位数が 1 である」ってこととか、「イデアル類群」っていうのが「虚2次体の整数環がどれだけ単項イデアル整域(PID)から外れているかを示す群」ってこととか、そのぐらいの理解はしているつもりです。
ですが、いまいちピンときていない。
ピンときていない一番の理由は、勉強法が悪いからでしょう。さわりだけ読んでいて、体系的な知識が身に付いていないのです。また、手を動かして証明していないのも問題です。身体にしみ込んでいないから、理解したつもりで先に進んだとしても、すぐにつまづいて元に戻らなければなりません。
というわけで、今年こそは基礎から整数論を身につけたい。しっかり身につけて、最終的には「イデアル類群ってなんやねん」っていう疑問を根本から解決したい。
意気込んで調べてみると、この目標にちょうど良さそうな入門書があったので、それを最初から勉強してみたいなと思っています。もちろん、読むだけでなく証明もきちんと。
- 作者: 青木昇,飯高茂,中村滋,岡部恒治,桑田孝泰
- 出版社/メーカー: 共立出版
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普段は一通り勉強し終えてから、自分流に並べ替えたり面白いところだけをピックアップしたりして記事にすることが多いのですが、たまには、勉強の過程をそのまま書いていっても面白いのかなと思っています。
というわけで 長い前フリ でしたが、しばらくの間「数学のかんどころ 15 素数と2次体の整数論」の勉強の過程を、独習ノートとしてまとめていくつもりです。基本的には1章より小さい単位で区切っていこうかと思っています。
まず 次回 は、第1章のとくに「1.2 約数と倍数」「1.3 のイデアル」を中心に。
この項目では、いきなり
企画倒れするか、最後までやり通せるかは正直微妙なところですが、自分の成長のためにもがんばってみたいと思います。気長にお付き合いください。
もちろん、この企画の合間にも、面白いネタを見つけたらいつものように記事を挟んでいきますよ。アドベントカレンダーと違って不定期でお届けしますので、くれぐれも毎日更新など期待されぬよう。笑
次回記事
まだ書いていません。気長にお待ちください。
書きました!