前回の内容を簡単に振り返ります。「空間内の与えられた2直線 に対して、その距離を求めることはできるか?」という問題について考えました。 からそれぞれ点 をとったとき、 の距離は2変数の2次関数関数 として求められます。 の最小値を求めれば、 の距離が求まるという話でした。
ここで「2変数の2次関数の最小値はあるのか?」という部分が一つの焦点だったわけですが、 が平行でない場合には最小値が極小値に一致する(最小値は存在する)という結論でした。
上の記事では、 を力技で平方完成して最小値を出していました。ところが、ブログ公開後にTwitter上で @Freufirst さんという方から「2次関数の平方完成は合同変換で出来るよ」という旨のアドバイスをいただきました。教えていただいた方法は「まさに」という方法だったのですが、昨日の時点ではまったく頭にありませんでした。ありがとうございます。
というわけで、せっかくなので行列を使った2変数2次関数の極値問題の解法について、詳しくまとめてみたいと思います。2変数2次関数 が極小値(あるいは極大値など)を持つ条件について考察していきたいと思います。
今回は、行列やベクトルとしての式変形を用いてスマートに求めることを目指します。計算の途中では、いくつかの「行列やベクトルの変換操作」を行っていきますが、それらは単なる機械的な置き換えではなく、実はちゃんと図形的な意味があるものになっています。記事の後半では、そのことについても触れていきたいと思います。
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