tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

等比数列の和と望遠鏡和

横山明日希さんのこのツイートを受けて、面白い(と僕が思った)計算法を考えたので紹介します。僕が思いついたのはこれ。1/32を一回借りてきて、あとはぷよぷよの連鎖のように、どんどん消えていくかんじ pic.twitter.com/r7gfPK3Jvk— 横山 明日希(9/28新…

「増税問題」が解決しました

増税問題は「消費税の増税に伴って総額表示に現れるようになった新しい数はどのような数か?」という数学の問題のことで、次の記事で問題提起しました。 tsujimotter.hatenablog.com記事を公開してみると、早速 id:asangi_a4ac さんによる鮮やかな解答が寄せ…

増税問題

2019年10月1日に消費税が8%から 10% に引き上げとなりました。正確にいうと、軽減税率というシステムが導入されるようなので、8%と10%が混在することになるみたいです。本記事のタイトルは「増税問題」です。ここでは、消費税増税について一言申し上げたい・…

【ネタ計算】12の345乗を691で割った余りを計算してみた

出先なので正確じゃないですが、690 ですか? #peing #質問箱 https://t.co/mgoDz0QsZg— たけのこ赤軍@9/22名古屋プリパ (@691_7758337633) 2019年9月19日 上のツイートをみて、面白そうだなと思ったので、計算してみました。ただし、普通に計算しても面白く…

続々々・12 = 3×4, 56 = 7×8

12 = 3×4, 56 = 7×8シリーズの第4弾。まさか続くと思っていませんでした。シリーズの記事は「12 = 3×4, 56 = 7×8」というタグでまとめていますので、よろしければご覧になってください。 tsujimotter.hatenablog.com 今日のテーマ 前回までの記事を公開した…

続々・12 = 3×4, 56 = 7×8

前々回の記事 で、 型の問題に対してという拡張が考えられるという話をしました。式 の方は 前回の記事 で扱ったので、今回は式 を解いてみたいと思います。 つまり、今回の問題はこれです。正の整数 が と、次の式を満たすとする:このとき、 の組を求めよ…

続・12 = 3×4, 56 = 7×8

前回に引き続き、 関連の問題を考えたいと思います! 前回の記事を読んでいない方は、ぜひ読んでみてください: tsujimotter.hatenablog.com 前回はロマンティック数学ナイトの登壇者・藤坂さんのツイートをきっかけに、 というタイプの式は、 の他には存在…

12 = 3×4, 56 = 7×8

こんにちは、tsujimotterです。まずはこちらのツイートをご欄ください。【8/24ロマンティスト紹介その6】藤坂一麦2001年5月28日 数学の存するこの世界に生まれる2008年頃 12=3×4,56=7×8の美しさに感動する2015年頃 三角関数のテイラー展開の神秘…

10/19,20に #マスパーティ を開催します!

日曜数学者のtsujimotterこと辻順平です。普段は、趣味で数学を勉強し、その成果を楽しく伝える活動をしています。この度、2019年10月19日(土)・20日(日)の2日間、30時間ぶっ通しで数学の企画を行うというイベント マスパーティ を、横浜市鶴見周辺で開…

ヘロンの三角形と連分数

今日の話題は、数学のお兄さんこと横山明日希さんによるこちらのツイートから。3辺の長さが整数723、724、725で構成される正三角形に近い三角形の面積は、なんと整数226974になる pic.twitter.com/tOy63OJZ6h— 横山 明日希-数学のお兄さん- (@asunokibou) 20…

3次方程式の判別式

次多項式 を考えるとき、方程式 の判別式とは、 個の解 を用いてと表せる量のことです。 たとえば、3次方程式 を考えて、その3つの解を とするときと表すことができますね。要するに、すべての解の差をとり、2乗して掛け合わせたものですね。定義から明らか…

モジュラー曲線(4):レベル構造付き楕円曲線とモジュライ空間

前回の記事では、モジュラー曲線 と楕円曲線の同型類全体が全単射であることを示しました。すなわち、 は楕円曲線の(同型類の)モジュライ空間になっているということでした。 tsujimotter.hatenablog.com 今回はレベル構造が入ったモジュラー曲線 を考えた…

モジュラー曲線(3):複素トーラスとしての楕円曲線

今回の記事は、楕円曲線についての基礎的な事項についてのおさらいです。これまでのtsujimotterのノートブックでは、色々な記事で楕円曲線について紹介してきました。しかしながら、どれも文字数や手間の関係で駆け足で紹介せざるを得ませんでした。ここで一…

曲線と関数体 (2):楕円曲線の加法はなぜ「あの」定義なのか?

今回のテーマは楕円曲線の加法はなぜあの定義なのか?です。前回に引き続き、楕円曲線の謎に迫っていきましょう。前回の記事はこちら: tsujimotter.hatenablog.com

曲線と関数体 (1):楕円曲線はなぜ3次曲線で表せるのか?

楕円曲線とは(細かいことを抜きにして言えば *1)という式で表される曲線のことです。上の方程式のことを、楕円曲線の定義方程式といいます。 時と場合によって微妙に定義式の書き方が異なったりますが、左辺の の指数はいつも 2乗 になっていて、右辺の式…

1729とK3曲面

こんにちは。本日、東京にて 日曜数学会 というイベントが開催されますね。日曜数学会は毎年1月・6月・10月の3回開催されていますから、実に5ヶ月ぶりとなります。5ヶ月も経つと「発表したいネタ」が溜まるようで、毎年この時期は発表者がたくさん集…

層の定義

最近、スキームの話をきっかけに、tsujimotterのノートブックにも「層」という概念が登場するようになりました。ところが、これまでのブログ記事では、層の定義は頑なに避けられてきました。その理由は、私自身が理解できていなかったからです。今回は、いよ…

層の射は自然変換

先日、アフィンスキームについての3部記事を公開したところ、いろんな反応をいただきました。*1 tsujimotter.hatenablog.comいただいたコメントの一つに、実は「層の射は、実は自然変換である」ということを教えてくれるものがありました。tsujimotterはこ…

単項化定理と群コホモロジー

こんにちは。最近、群コホモロジーがマイブームのtsujimotterです。群コホモロジーといえば、以前の記事で群コホモロジーに関する定理「ヒルベルトの定理90」を使って、クンマー理論を導く話を書いたことがありました。 tsujimotter.hatenablog.com今回は ヒ…

ガロアに浸れる出版物・ウェブサイト紹介

今日は5/31というわけで、今年も「数学者エヴァリスト・ガロアの命日」がやってきました。「ガロアの命日」は私の携帯のカレンダーに登録されています。毎年5/31には、京大の数学教室で「ガロア祭」なるイベントも開催されているようですね。今日の16:30から…

33 = X^3 + Y^3 + Z^3 の整数解

今回のテーマは 33 という整数についてです。今朝、アフィンスキームについての重い記事を投稿したばかりですが、この記事では軽い感じでいきましょう。 を固定した自然数として、 なる方程式の整数解を考えたいと思います。

アフィンスキームとは何だろうか(3)

この記事は、シリーズ記事「アフィンスキームとは何だろうか」の第3回の記事です。第1回の記事: tsujimotter.hatenablog.com第2回の記事: tsujimotter.hatenablog.com 前回はついにアフィンスキームを定義しました。今日は、本シリーズの最後の記事とし…

アフィンスキームとは何だろうか(2)

この記事は、シリーズ記事「アフィンスキームとは何だろうか」の第2回の記事です。第1回の記事はこちら: tsujimotter.hatenablog.com 前回はアフィンスキームの定義に向けて、環のスペクトルとザリスキー位相という概念を紹介しました。位相が入ったので…

アフィンスキームとは何だろうか(1)

数論の勉強をしていく中で、スキーム理論の言葉で書かれた文章をたびたび見かけるようになり、スキームの基礎的な事項について理解したいと思うようになりました。代数幾何学の標準的な(?)教科書であるハーツホーン [文献1] などの本を読んで、基本的な部…

階乗数の間の関係式:10! = 6!7!

今日は が主役です。 は定義からですが、ここから を除いたを考えてみましょう。 のように置き換えるととできて、これは そのものです。したがって、表題の が成り立ちます。 これだけでも十分面白いのですが、実は という関係式には、こんな面白い特徴があ…

ゲーム理論で警備する:セキュリティゲーム

今年の3月に情報処理学会全国大会というところに行ってきまして、「ゲーム理論やメカニズムデザイン」についての招待講演を聞いてきました。以前からこの分野にはなんとなく関心があったのですが、この話がとても面白かったということもあり、関連する分野…

f(x) = 2x + 1 を mod 5 で繰り返し合成させるとどうなるか?

先日話題になった FF5の記事(1) や FF5の記事(2) の議論の中でとして なる数列について考えていました。 要するに、1次多項式 を考えて で を繰り返し合成させるとどうなるか? という問題を考察していたわけです。考えてみるとなかなか面白かったので、今日…

FF5のレベル5デスと整数論 (2)

前回の「FF5のレベル5デスと整数論」の記事では、多くの方々に読んでいただくことになり、たくさんの反響がありました。 「コラッツ予想に似てる」 「数式部分はよくわからなかったけど面白い」 「数学的な考察の勉強になった」 「授業の教材としても使える…

FF5のレベル5デスと整数論

Final Fantasy Ⅴ(以下、FF5)というゲームをご存知でしょうか?私が小学生ぐらいの頃に流行したロールプレイングゲームです。当時、私はFFの魅力がわからずプレイしたことすらなかったのですが、大人になってからその面白さに気づき、はまっています。今回…

タイヒミュラー指標

明けましておめでとうございます。新年最初の記事になりますが、もう既に新年から2ヶ月以上経っていることに驚きました。さて、本日あたりから「p進ゼータ関数」という本が店頭に並び始めました。p進ゼータ関数 久保田-レオポルドから岩澤理論へ (シリーズ…