tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

「INTEGERS: 孙智伟による素数表現関数」を確認してみた

日曜数学アドベントカレンダーの本日の記事は integers_blog さんによる「孙智伟による素数表現関数」です。 integers.hatenablog.com大変興味深いお話なので、ぜひ多くの人に読んでいただきたいです!

補足:法2017における(-1)の平方根の計算

本日アップロードしたばかりのこちらの記事 tsujimotter.hatenablog.comではを計算する効率的な方法がわからない、と書いていました。先ほど nishimura さんという方に*1効率的な方法を教えていただきましたので、その方法を補足したいと思います。「オイラ…

2017を二つの平方数の和で表す方法 (1)

この記事は 数学とコンピュータ Advent Calendar 2017 の 7 日目の記事です。 数学好きなITエンジニアの皆様こんにちは。日曜数学者を名乗り、趣味で数学を学んでいるtsujimotterと申します。本業では情報系の研究者をしていて、日頃プログラミングには親し…

昨日話しておきたかった数学豆知識

「tsujimotterのノートブック」では、明日話しておきたい数学豆知識アドベントカレンダーという企画をやったことがあります。 adventar.orgこの話を覚えておけば、明日は職場で大人気だぜ(?)、という数学豆知識を紹介する企画でした。 今日は、その逆で、…

岩澤主予想

tsujimotterのノートブックでは,これまで2回にわたって,岩澤理論の3本柱のうちの2つ「岩澤類数公式」「p進L関数」を紹介してきました。今日は,3本柱の最後1つである「岩澤主予想」について紹介したいと思います。参考記事(こちらの記事の知識を前提…

日曜数学アドベントカレンダー初日:2341 はスーパープライム

この記事は 日曜数学 Advent Calendar 2017 の 1 日目の記事です。 アドベントカレンダーの季節が始まりましたね!2017年も「日曜数学アドベントカレンダー」は健在です! adventar.org嬉しいことに,既に投稿予定が全日埋まっております!これは嬉しいです…

コーシー積分は整数論に使える?

ハッピーフィボナッチ!今日は 11/23 で,フィボナッチ数の最初の4項 1, 1, 2, 3 が並ぶ日です。そのため,11/23 はフィボナッチの日と呼ばれ,親しまれているようです。フィボナッチ数列は,という漸化式で定義された非常に有名な数列です。「 の一般項を…

ヒルベルトの定理90とクンマー理論

「ヒルベルトの定理90」という有名な定理があります。定理の名称は,ヒルベルトの有名な報文(Zahlbericht)での定理番号から今日はこの定理について紹介します。定理:ヒルベルトの定理90 を有限次ガロア拡大としたとき,が成り立つ。

クンマー理論

クンマー拡大についての記事を準備しているうちに,いくぶん理解が進んできました。 tsujimotter.hatenablog.com今日は,本題の「クロネッカー・ウェーバーの定理」から離れて「クンマー理論」について紹介します。クンマー理論については,しばらく前からず…

クロネッカー・ウェーバーの定理と証明のあらすじ(その3):クンマー・ペアリング

今日は「クンマー・ペアリング」についてのお話です。以下のシリーズの続きです。 tsujimotter.hatenablog.com

クロネッカー・ウェーバーの定理と証明のあらすじ(その2):クンマー拡大

ご無沙汰しています。tsujimotterです。久しぶりに「クロネッカー・ウェーバーの定理と証明のあらすじ」シリーズの続きを書きたいと思います。 tsujimotter.hatenablog.com今日の主役は クンマー拡大 です。クンマー拡大とは,「巡回拡大」が「ベキ根の添加…

コーツ・ワイルズの定理(のあらすじ)

7/19から7/28の計9日間,Iwasawa2017という国際研究集会が東京大学にて開催されました.岩澤理論における世界的スーパースターが一堂に会し活発な議論が行われました. 実はtsujimotterもこっそり参加しておりました.感想やレポートはまたいずれ書きたいと…

p進L関数とクンマーの合同式

ゼータ関数 の負の整数 における値には面白い性質があります。

クロネッカー・ウェーバーの定理と証明のあらすじ(その1)

今日は,私の大好きな数式から話を始めたいと思います。

岩澤類数公式(岩澤理論入門編)

今日は「岩澤理論」についてのお話をしたいと思います。2017年は,岩澤理論の創始者である岩澤健吉先生の 「生誕100周年」 の年にあたります*1。節目の年ということもあって Iwasawa2017 という国際会議が東京で開催されます。私もこの分野の数学に関心があ…

(小ネタ)恋する無限遠点

Aさん「私はBくんのことが大好き!」 Bくん「僕はその100倍好き!」 Aさん「じゃあ私はその1000倍好き!」 俺「y=100x,x=1000yだからx=y=0」 というネタがツイッターで流れてきたので、私も乗っかりたくなりました。普通に実数上で上記の式を考えてしまうと …

3月14日 #みらいけん数学デー で数学書限定ビブリオバトルしてきた

3/14 は「πの日」そして「数学の日」ですが、そんな数学にまつわる日に開催された #みらいけん数学デー というイベントに参加してきました!イベント詳細はこちら: www.shosen.co.jp日曜数学会のキグロさんが主催で、書泉グランデさん共催というものです。 …

ベイカーの定理と類数1の虚二次体の決定

類数1の虚二次体 は完全に決定されていて,虚二次体を としての 9 つだけであることが知られています。これがベイカー・スタークの定理です。今日はこの定理の「ベイカーによる証明」をご紹介したいと思います。

類数公式とデデキントのゼータ関数

ゼータ関数強化月間 第2弾 として,今日は「デデキントのゼータ関数」を紹介したいと思います。デデキントのゼータ関数によって「類数」が求まる 「類数公式」 についてお話したいと思います。証明の流れが非常に面白いので,そのあたりを楽しんでいただけ…

ゼータ関数の行列式表示

最近「ゼータ関数」の話はこのブログで書いておらず,しばらくご無沙汰でした。最近学んでいる理論を調べているうちに「ゼータ熱」が再燃してきました。啓蒙書でお話程度に聞いていて「抽象的でよくわからないなぁ」と思っていた対象が,だんだんつかめてき…

「57 は 3 で割れ切れる」の別証明(したかった)

2017/02/04: こちらの記事の計算に誤りがあることが発覚しました。今は手が離せないので,また後ほど訂正いたします・・・。2017/02/05: 上記の誤りについてですが,たしかに誤りであることが確認できました。どの箇所が誤っているかについて,末尾の「追記…

パッと見素数 "91" を素数判定に活用する

91 という数は、見た目が素数っぽくてつい間違えてしまうという「パッと見素数」 です。 motcho.hateblo.jp 素数と間違えやすいので、たとえば素数を使ったカードゲーム*1においては、間違えて悔しい思いをした方もいるかもしれません。「いやな数」と思われ…

1728とラマヌジャンと線形代数

といえば、ラマヌジャンの「タクシー数」のエピソードを思い出します。 という数に、ラマヌジャンが一瞬で「2通りの3乗数和の形で表せる最小の数」という意味を見出した、という話はよく知られていますね。 この式を導くポイントは、 という数が であるこ…

続・XX + XY + 6YY の形で表せる素数

これまで「類体論」の勉強をしてきましたが,その集大成となる記事を書きたいと思います。本日扱いたいのは,およそ一年前に紹介した以下の問題です。 の形でかける素数はどのような法則を満たすか?その一年前の記事はこちら: tsujimotter.hatenablog.com

ガウスの種の理論 (Genus Theory)

今日考えたい問題は という二次形式で書ける素数の法則です。実際,という法則が知られており, の素イデアル分解によって説明できます。これについて,以前の記事でまとめたことがありました。 tsujimotter.hatenablog.com一方で,上の記事では「たまたまそ…

163とドカベン素数

4 で割って 1 あまる素数は,すべて2つの平方数の和でかけるという事実は,非常に有名なのでご存知の方も多いかと思います。私のブログでもたびたび取り上げてきました。フェルマーが発見したので,フェルマーの二平方定理(あるいは,二平方和の定理)とい…

2017は非正則素数

今年は西暦 2017 年ですが,2017 は素数 ということで各所で盛り上がったことと思います。実は,2017は単に素数なだけではなく,非正則素数 という重要な素数でもあるのです。今日はそのことを紹介します。概要: さっき発見したんですが 2017 は 123 番目の…

二次体の分解法則と平方剰余の相互法則

前回に引き続き類体論に関するお話です。続きものなので,ぜひ以下の記事を読んでからきてください。 tsujimotter.hatenablog.com今日の主役は 二次体 です。二次体とは,平方因子を持たない に対して の形で与えられる の二次拡大体のことです。一見簡単そ…

円分体の類体論の復習

tsujimotter.hatenablog.com 以上の記事では,整数論にガロア理論を適用させ,素イデアルの分解法則を見出す「ヒルベルトの理論」の枠組みを紹介し,その系として円分体の分解法則を導きました。上の記事から半年以上経っているので,円分体の類体論を復習し…

素数ℓはℓ次の円分体で完全分岐する

しばらく類体論周辺の話を書きたいと思っています。今日は後の記事のための補助的な内容を書きたいと思います。今日のテーマは円分体の分岐についての定理。