tsujimotterのノートブック

日曜数学者 tsujimotter の「趣味で数学」実践ノート

コーツ・ワイルズの定理(のあらすじ)

7/19から7/28の計9日間,Iwasawa2017という国際研究集会が東京大学にて開催されました.岩澤理論における世界的スーパースターが一堂に会し活発な議論が行われました. 実はtsujimotterもこっそり参加しておりました.感想やレポートはまたいずれ書きたいと…

p進L関数とクンマーの合同式

ゼータ関数 の負の整数 における値には面白い性質があります。

クロネッカー・ウェーバーの定理と証明のあらすじ(その1)

今日は,私の大好きな数式から話を始めたいと思います。

岩澤類数公式(岩澤理論入門編)

今日は「岩澤理論」についてのお話をしたいと思います。2017年は,岩澤理論の創始者である岩澤健吉先生の 「生誕100周年」 の年にあたります*1。節目の年ということもあって Iwasawa2017 という国際会議が東京で開催されます。私もこの分野の数学に関心があ…

(小ネタ)恋する無限遠点

Aさん「私はBくんのことが大好き!」 Bくん「僕はその100倍好き!」 Aさん「じゃあ私はその1000倍好き!」 俺「y=100x,x=1000yだからx=y=0」 というネタがツイッターで流れてきたので、私も乗っかりたくなりました。普通に実数上で上記の式を考えてしまうと …

3月14日 #みらいけん数学デー で数学書限定ビブリオバトルしてきた

3/14 は「πの日」そして「数学の日」ですが、そんな数学にまつわる日に開催された #みらいけん数学デー というイベントに参加してきました!イベント詳細はこちら: www.shosen.co.jp日曜数学会のキグロさんが主催で、書泉グランデさん共催というものです。 …

ベイカーの定理と類数1の虚二次体の決定

類数1の虚二次体 は完全に決定されていて,虚二次体を としての 9 つだけであることが知られています。これがベイカー・スタークの定理です。今日はこの定理の「ベイカーによる証明」をご紹介したいと思います。

類数公式とデデキントのゼータ関数

ゼータ関数強化月間 第2弾 として,今日は「デデキントのゼータ関数」を紹介したいと思います。デデキントのゼータ関数によって「類数」が求まる 「類数公式」 についてお話したいと思います。証明の流れが非常に面白いので,そのあたりを楽しんでいただけ…

ゼータ関数の行列式表示

最近「ゼータ関数」の話はこのブログで書いておらず,しばらくご無沙汰でした。最近学んでいる理論を調べているうちに「ゼータ熱」が再燃してきました。啓蒙書でお話程度に聞いていて「抽象的でよくわからないなぁ」と思っていた対象が,だんだんつかめてき…

「57 は 3 で割れ切れる」の別証明(したかった)

2017/02/04: こちらの記事の計算に誤りがあることが発覚しました。今は手が離せないので,また後ほど訂正いたします・・・。2017/02/05: 上記の誤りについてですが,たしかに誤りであることが確認できました。どの箇所が誤っているかについて,末尾の「追記…

パッと見素数 "91" を素数判定に活用する

91 という数は、見た目が素数っぽくてつい間違えてしまうという「パッと見素数」 です。 motcho.hateblo.jp 素数と間違えやすいので、たとえば素数を使ったカードゲーム*1においては、間違えて悔しい思いをした方もいるかもしれません。「いやな数」と思われ…

1728とラマヌジャンと線形代数

といえば、ラマヌジャンの「タクシー数」のエピソードを思い出します。 という数に、ラマヌジャンが一瞬で「2通りの3乗数和の形で表せる最小の数」という意味を見出した、という話はよく知られていますね。 この式を導くポイントは、 という数が であるこ…

続・XX + XY + 6YY の形で表せる素数

これまで「類体論」の勉強をしてきましたが,その集大成となる記事を書きたいと思います。本日扱いたいのは,およそ一年前に紹介した以下の問題です。 の形でかける素数はどのような法則を満たすか?その一年前の記事はこちら: tsujimotter.hatenablog.com

ガウスの種の理論 (Genus Theory)

今日考えたい問題は という二次形式で書ける素数の法則です。実際,という法則が知られており, の素イデアル分解によって説明できます。これについて,以前の記事でまとめたことがありました。 tsujimotter.hatenablog.com一方で,上の記事では「たまたまそ…

163とドカベン素数

4 で割って 1 あまる素数は,すべて2つの平方数の和でかけるという事実は,非常に有名なのでご存知の方も多いかと思います。私のブログでもたびたび取り上げてきました。フェルマーが発見したので,フェルマーの二平方定理(あるいは,二平方和の定理)とい…

2017は非正則素数

今年は西暦 2017 年ですが,2017 は素数 ということで各所で盛り上がったことと思います。実は,2017は単に素数なだけではなく,非正則素数 という重要な素数でもあるのです。今日はそのことを紹介します。概要: さっき発見したんですが 2017 は 123 番目の…

二次体の分解法則と平方剰余の相互法則

前回に引き続き類体論に関するお話です。続きものなので,ぜひ以下の記事を読んでからきてください。 tsujimotter.hatenablog.com今日の主役は 二次体 です。二次体とは,平方因子を持たない に対して の形で与えられる の二次拡大体のことです。一見簡単そ…

円分体の類体論の復習

tsujimotter.hatenablog.com 以上の記事では,整数論にガロア理論を適用させ,素イデアルの分解法則を見出す「ヒルベルトの理論」の枠組みを紹介し,その系として円分体の分解法則を導きました。上の記事から半年以上経っているので,円分体の類体論を復習し…

素数ℓはℓ次の円分体で完全分岐する

しばらく類体論周辺の話を書きたいと思っています。今日は後の記事のための補助的な内容を書きたいと思います。今日のテーマは円分体の分岐についての定理。

2017の素因数分解がつくる多角形

この記事は 日曜数学 Advent Calendar 2016 の 25 日目(最終日)の記事です。 アドベントカレンダー最終日です!日曜数学アドベントカレンダーに参加してくださったみなさま,本当にありがとうございました。さまざまな分野の楽しいお話が飛び出して,ワク…

Amazon dash ボタンで馬場君に焼きそばパンを買いに行ってもらう

これは馬場君に焼きそばパンを買いに行ってもらうしかない。 そう思ったのでした。

グロタンカットをしないという選択

この記事は、素数大富豪アドベントカレンダー 2016 の4日目の記事です。 昨日は、みうらさんによる熱い togetter まとめでした!みなさん、読みましたか?読んでいない方はぜひ! togetter.com 素数大富豪、最近流行っていますね。素数が好きな数学ファンは…

ガロアに会いに行ってきました:聖地巡礼弾丸ツアー

この記事は 日曜数学 Advent Calendar 2016 の 1日目の記事です。 12月ですね。アドベントカレンダーの季節がやってきました。毎年、12月になると、さまざまなテーマで持ち回りでブログ記事を書き合うお祭りがはじまります。私は、2年連続で「数学」に…

サイエンスアゴラ2016で日曜数学について発表してきました!

11月5日、6日は、サイエンスアゴラ2016に「日曜数学会」として参加してきました。11/5(土)11/6(日)の二日間、サイエンスアゴラで #日曜数学会 が出展します。ロングverの日曜数学会を行う予定で、私は両日11時から登壇します。都立産業技術研究センターM2階…

サイエンスアゴラ2016 数学関連企画リスト

昨日 11/4(木) から 11/6(日)より、サイエンスアゴラというイベントが開催されます。お台場で開催される、科学コミュニケーションの見本市のような大規模なイベントです。tsujimotter も今年は「日曜数学会」として参加します。 www.jst.go.jp以下のページに…

29 の倍数判定法

こんにちは。最近数学をする時間がとれなくてもやっとしているtsujimotterです*1。ちょっとした気晴らしに小ネタを書きたいと思います。 *1:「数学する時間がとれない」というより「数学はしているけど,ブログを書いている暇がない」かもしれません。今,書…

日曜数学者向けのイベント備忘録(2016年秋開催)

秋といえば数学の秋!この秋は、あまりにもアマチュア数学関連のイベントが目白押しだったので、ただただ備忘録的にまとめてみました! (私の知っている限りなので「このイベントが足りないよっ」とかご要望があれば気軽に @tsujimotter に言ってくださいね…

Wieferich 商を計算する

こんばんは。今日は簡単な記事を書きたいと思います。 経緯 インテジャーズさんの以下の記事: integers.hatenablog.comでこんなことが書かれていました。 と が実際にWieferich素数であることを証明しようと思うとき、愚直にコンピュータで を計算して実際…

8 と 9 の黄金ペア:カタラン予想

本日は 8 月 9 日ということで,8 と 9 のペアで作られる数学のお話をしましょう。 という数は で3乗数, という数は だから平方数ですね。これらの数の差は なのでが成り立ちます。すなわち,「べき乗数 ひく べき乗数」が1となっているわけです。ここで…

接吻数問題 と 24 次元リーチ格子

「接吻数問題」という数学の問題があります.なんとも変な名前の問題ですが今日はそのお話です.実は今回のテーマは,私が1年半前に書いた 691 の記事 に深く関連しています.私のブログでしばしば取り上げている「ラマヌジャンのデルタ」や「保型形式」と…