2日前に公開した量子力学に関する記事なのですが、たくさんの方に見ていただいて嬉しいです。Twitter上でもたくさんの嬉しいコメントをいただきました。 tsujimotter.hatenablog.com今日は続きとして、電子雲の可視化 をしたいと思います。 前回の記事では…
最近、とある興味 *1 から量子力学(とりわけ量子化学)の勉強をしています。水素原子の電子の軌道を計算すると、s軌道とかp軌道とかd軌道とかの計算が載っていて、対応する図が教科書に載っていたりしますよね。こういうやつです: Wikipedia「球面調和関数…
私がスタッフとして携わっている日曜数学会というイベントが、今月の20日に 6周年 を迎えます。めでたいですね。また、先日私の年齢も 歳になりまして、つまり というわけですね。ダブルでめでたい(?)。せっかくなので、何か にまつわる発表をしたいなと…
数学ファンの鯵坂もっちょさんがツイートしていた問題が面白かったので、今日はその問題について考えてみたいと思います。あれ、もしかしてan+b(a,b,nは自然数、a,bは互いに素)型の数が積で閉じてるのってb=1のときだけか— 鯵坂もっちょ『つれづれなる数学日…
今日は整数論の面白概念の一つである フェルマー商 を紹介したいと思います。 まず、フェルマーの小定理という、合同式を考える上で大変有用な定理から話を始めます。定理(フェルマーの小定理) を で割り切れない任意の整数とする。このときが成り立つ。 …
一つ前の記事で「LTEの補題(指数持ち上げ補題)」という有名な補題について勉強しました。せっかくなので、この補題を何か他のネタにも使えないかと考えました。LTEの補題とは、こんな主張の補題でした:LTEの補題(指数持ち上げ補題) を奇数の素数とする…
世の中の現象の中には「ランダム」な現象が多々あります。たとえば、サイコロを振るのは分かりやすいランダムな現象の例です。他にも天気や地震、ギャンブルなども分かりやすいランダムな現象の例です。一方で、コンピュータの中で行われる計算は、一定のア…
昨日5/15に放送された テレビ番組「ガリベンガーV」 という番組に出演させていただきました。TVerでも期間限定(5月22日(土) 23:40まで)で見ることができるので、ぜひご覧になってください! tver.jpなかなかない機会ですので、今日は収録の思い出を語った…
今日は5月12日なので 512 の日ですね! なので、2のべき乗で表せる数というわけです!嬉しいですね!(え、嬉しくないですか?) 楽しくなってきたので他にも面白い性質ないかなと、Wikipediaの「512」という項目を調べてみると、次のような性質を見つけまし…
いつもブログを読んでくださってありがとうございます!今日5月9日は私の誕生日なのですが、今年で36歳を迎えまして「平方数歳」になりました。おかげさまで今年も楽しく数学をできています!せっかくの36という年齢なので、36にまつわる何かをした…
モジュラー曲線というのは、上半平面 を の合同部分群で割ったものとして定義されます。定義からは、明らかに複素解析的な対象に見えると思います。ところが、実はモジュラー曲線は数論的な対象でもあるのです。わかりやすい応用として、楕円曲線の位数有限…
4年に一度、国際数学者会議(ICM: International Congress of Mathematicians)と呼ばれる大きな催しが行われます。フィールズ賞という、数学界の最高峰の賞が発表される会としても知られていますね。次回、2022年にはロシアのサンクトペテルブルグにてICM …
「」を示す問題が2003年の東大入試で出題されました。これは有名なのでみなさん良くご存じかと思いますが、一方で以下の動画のような解法はご存知でしょうか?www.youtube.comたいへん面白い解法なので、まずは一度ご覧いただきたいです。動画の解説もとても…
高校数学で習った「二重根号」を覚えていますでしょうか。たとえばのように、根号の中に根号が入れ子になっている式を 二重根号 といいます。 上の二重根号は一見複雑な式に見えますが、実は次のように考えることで「ただの平方根」であることがわかります。…
横山明日希さんのこちらのツイートの内容がとても興味深かったので、自分でもいろいろ一般化ができないかと考えてみました。4月9日です!「49」は、「奇数回かけると下二桁が49になる」というちょっと面白いを持っている数です! pic.twitter.com/eWair1rc0A…
今日は 箸袋があるとつい作っちゃうこの図形 についての話です。細長い紙を用意して、上の図をイメージしながら折り曲げて「ぎゅっと」すると、きれいに正五角形が作れてしまいます。箸袋に限らず、お手元に紙テープなど「細長い帯状のもの」があれば簡単に…
今回は「保型形式(モジュラー形式)を勉強するとこんなにも楽しい」シリーズの 応用編 です!数学ガール等を読んで保型形式について知ったけど、さわりの部分だけでは物足りない、もっと保型形式のその先を勉強してみたい、そう思っていた「あなた」のため…
保型形式 という数学用語を聞いたことはあるでしょうか?数学好きの方の中には、フェルマーの最終定理の証明で楕円曲線と保型形式が役に立った、という話を聞いたことがある方もいるでしょう。 私が保型形式に出会ったのは、数学ガール「フェルマーの最終定…
今年も3月14日、3.14の日がやってきました。3.14といえば、もちろん円周率の近似値ですね!円周率の近似値にちなんで、世界的には 円周率の日(英語圏だとPIの日)と呼ばれているそうです。 毎年、この日にブログに書きたいと思っていた(できずにいた)話が…
以前「足し算の繰り上がりと群コホモロジーが関係している」という話が、Twitter上で話題になったことがありました。大元のツイートは、このツイートだったと思います。もうちょっと説明してくれといわれたので、しますと、Z/100Z は mod 100 の整数が足し算…
以下の記事でリーマン面の定義をまとめたことがありました。 tsujimotter.hatenablog.com これまでtsujimotterのブログではリーマン面の具体例を挙げたことがありませんでした。今日は、リーマン面(特にコンパクトリーマン面)の代表例である複素射影直線 …
センセーショナルな数学関連のニュースが飛び交っている昨今ですが、私にとって特に注目したい情報が入ってきました。それが ヒルベルトの第12問題 に関する進展です。 「総実体上のヒルベルトの第12問題を解いた」 というプレプリントが 3/4付 でarXivに投…
3/1〜3/3の3日間で「連分数とペル方程式」のシリーズを行ってきたのですが、ご覧いただけましたでしょうか。tsujimotter.hatenablog.comtsujimotter.hatenablog.comtsujimotter.hatenablog.comそれなりにたくさんの人にみていただいて、嬉しい限りです。また…
今回の記事は「シリーズ:連分数とペル方程式」の3日目(最終日)の記事となっています。関連する記事は こちら からご覧いただけます。今日のテーマは、円周率の マチンの公式 です:この公式を使うと、円周率を高精度で計算できることが知られています。…
今回の記事は「シリーズ:連分数とペル方程式」の2日目の記事となっています。関連する記事は こちら からご覧いただけます。今日はこんな問題を考えてみましょう。兵士たちが正方形に並んでいる。これを1軍団とする。その軍団が「61」ある。これに王様が一…
今回の記事は「シリーズ:連分数とペル方程式」の1日目の記事となっています。関連する記事は こちら からご覧いただけます。今日は、連分数展開 について紹介したいと思います。3日連続 で 「連分数」 に関連する記事を公開したいと思っています。明日以…
一橋大学の問題が僕にも解けそうだったので、解いてみました!問題(一橋大学・2021年第1問)1000以下の素数は250個以下であることを示せ。
本日は 2/23 ということで、この日付にまつわる楽しい数学の話をしたいと思います!お話したいのは、23 という数そのものが持つ性質についてです。 は素数なので、素数についての話かと思った方もいるかもしれません。もちろん、素数であることは大事なので…
こちらの記事の続きです。 tsujimotter.hatenablog.com 上の記事では、穴あき円板 上のド・ラームコホモロジー を計算しました。 ド・ラームコホモロジーを計算するには、 上の任意の閉1形式( の元)を計算し、それと完全1形式( の元)との「差」(実際は…
先日、予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」さん(以下、ヨビノリさん)のYouTubeチャンネルにて、ゲーム理論 に関する動画が公開されました。www.youtube.comゲーム理論に関する基本的な用語について、大変わかりやすく紹介されているのでぜひご覧になっ…