2020-01-01から1年間の記事一覧
ガウス和について勉強していくうちに、前回紹介した「平方剰余の相互法則の証明」の記事の内容に関して、誤解があることを発見しました。今回の記事は、その誤解についての 訂正記事 です。私が誤解に気づいたきっかけは、以下のPDF記事でした。 アンドレ・…
3日連続ガウス和シリーズ、最終日の今回のテーマは 「平方剰余の相互法則」 です。平方剰余の相互法則は、整数論を勉強する人の多くが憧れる定理の一つで、いよいよここまできたかという感じがします。 なお、ガウス和シリーズの記事は、以下のタグで見るこ…
望月新一先生の「宇宙際タイヒミュラー理論」に関する論文が、論文誌に採録されることが決まったというニュースが飛び込んできました。 mainichi.jp論文の原稿は8年も前から発表されており、その内容の壮大さから、数学好きの間で度々話題になっていました…
前回の記事で、ガウス和 についての面白い定理を紹介しました。せっかくなので、ガウス和シリーズ と題して、3日連続でガウス和にまつわるお話を紹介したいと思います。このシリーズの全記事は「ガウス和」のタグで閲覧できるようにします。 tsujimotter.ha…
一昨日にこんなツイートをしてみたら、思った以上に多くの方に面白がってもらえました。せっかくなので、この記事を通して「種明かし(?)」をしたいと思います。√pの作り方 pic.twitter.com/qy2gzay6EW— tsujimotter (@tsujimotter) 2020年3月31日 今回は…
今日は 四元数環 について考えてみましょう。tsujimotterのノートブックでは初登場ですね。複素数体 は に虚数単位 を加えた体のことで、と書けます。 上の2次拡大体となっています。 に「ある演算規則」をもった という新しい数を加えてとしたものが四元数…
楕円曲線について本格的に勉強したいと思い、シルヴァーマンによる楕円曲線の本(タイトルは "The Arithmetic of Elliptic Curves"(通称:AEC))を読み始めました。The Arithmetic of Elliptic Curves (Graduate Texts in Mathematics)作者:Silverman, Jos…
今回のテーマは 「群コホモロジー」 です。整数論や諸々を勉強していると、群コホモロジーという言葉をよく耳にします。調べてみると、とても難しそうな定義が並んでいてよくわからない。少し前までの私はそんな感じでした。一方で、難しい定義であっても、…
最近、「素数と2次体の整数論」という本の読書会をはじめました。素数と2次体の整数論 (数学のかんどころ 15)作者:青木 昇発売日: 2012/12/21メディア: 単行本主に数学デーというイベントの中で毎週1、2回程度開催して、少人数で濃い勉強をしています。「…
今日は 3/14 、すなわち 「円周率の日」 ということで、円周率の一風変わった近似式を紹介したいと思います。今回紹介したい式はこちらです:ここで、 は自然対数です。 「なんじゃこりゃ」というような式ですが、実際に計算してみるとその精度の高さに驚き…
昨日紹介した「モジュラー形式の本」にまたまた面白い話が載っていたので紹介したいと思います。1足す1から現代数論へ: モジュラー形式への誘い作者:アッシュ,アブナー,グロス,ロバート発売日: 2019/07/27メディア: 単行本 ウェアリングの問題 このブログで…
4で割って1あまる素数 に対してをみたす整数 が必ず存在することは「平方剰余の相互法則」の「第一補充則」と呼ばれ、よく知られていますね。 一方で、上の事実だけからは「 がどのような数であるか」についてはわかりません。具体的に を求める方法はないの…
先日、素数大富豪の大会が札幌で開催されました。その名も「札幌杯」。一時期は開催が危ぶまれましたが、なんとか無事開催されることになりました。少し長い動画ですが、YouTubeで大会の様子を見ることができます。 www.youtube.com札幌杯では 「数学的に面…
去年の年末、ケンタッキーに行ったときのことです。オリジナルチキン4ピースパックを注文することにしました。 www.kfc.co.jpこのパックでは、以下の4種のサイドメニューのうち1個を選ぶことができます。 ・ポテトS ・クリスピー ・ビスケット ・コールスロ…
今日は数論の話をしましょう。今回の主役は フェルマー数 です。フェルマー数とは、0以上の整数 に対しての形をした数のことです。 が自然に現れる問題としては 正多角形の作図 がよく知られています。 を素数として、正 角形が作図可能である必要十分条件が…
最近、寺杣先生の「リーマン面の理論」という本を勉強しています。リーマン面の理論作者:寺杣友秀発売日: 2019/11/29メディア: 単行本(ソフトカバー) 「リーマン面」についての勉強を始めたのは、「幾何が専門の人の話についていけるようになりたい」とい…
2020年最初に作ったアプリが、おかげさまでたくさんの方にみてもらえているようです。「2020」という数は、・2つの平方数の和・3つの平方数の和・連続する4つの素数の平方数の和・10連続偶数の平方和でそれぞれ表せる数らしいので、その性質を可視化するペー…
明けましておめでとうございます!いよいよ 2020年 ですね。2020年といえば、だいぶ前から話題に上がっていたオリンピックイヤーがいよいよやってきたという感じですが、今年はどんな一年になるのでしょうか。良い年にしていきたいですね。2020年になったと…